今回は「不憫(ふびん)」という言葉について解説します!
「不憫」とは、かわいそう、気の毒だ、という意味の言葉です。
「彼は両親を亡くしてしまって不憫だね…」みたいに使うよ!
「不憫」は「不便」と区別するために、明治時代に当て字が使われたことが由来です。
この記事では「不憫」という言葉の詳しい意味や由来、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
不憫とは?意味は「かわいそう、気の毒だ」
「不憫」の意味=かわいそう、気の毒だ
不憫とは、かわいそう、気の毒だという意味の言葉です。
他人や動物が困難な状況になっている時、思いやりや同情の気持ちを示すために使われます。そのため、自分自身に対してはあまり使用しない言葉です。
下は高齢猫さんのお話です。保健所に持ち込まれているので、期限が来たら処分される可能性がありました。
保護猫ルームスタッフの方が不憫に思って、お迎えしてくださったとのことなので、新しい飼い主さんのところで幸せに生きてほしいですね。
「不憫」は相手を思いやる言葉ではありますが、目下の人や自分より立場が弱い人に対して用いることが多いため、上から目線の印象になりがちです。
こちらが不憫だと思っていても、相手がそこまで不幸だと思っていない場合や、目上の方に対して使う場合は相手を傷つけてしまう可能性があります。注意しましょう!
「不憫」という言葉を使う時は、注意しないといけないね!
不憫の由来や語源は「不便と区別するため、当て字が使われた」
「不憫」の由来、語源=明治時代に「不便」と区別するために当て字が使われたことから
「不憫」は明治時代に「不便」と区別するために、当て字が使われたことが由来です。
明治時代以前、「不便」は「便利でないこと、かわいそう、気の毒だ」という意味で使われており、現在の「不憫」の意味も含まれていました。
しかし、明治時代以降は「不便=便利でないこと」の意味になりました。「かわいそう、気の毒だ」の意味の時は「不憫」を使うようになり「憫」が当て字になりました。
「憫」には「哀れむ(あわれむ)=かわいそうに思う」という意味があります。「不憫」と書くことで、哀れむことを否定する言葉になりそうですが「憫」は当て字のため「あわれむ+否定」の意味にはなりません。
当て字とは?→漢字の意味に関係なく、音や訓が同じ漢字を当てはめたものです。
「不憫」と「不便」はもともと同じ意味だったんだね!
不憫の使い方・例文
「不憫」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
さっき聞いたけど、〇〇が彼女に振られたらしいな。
彼女のことが大好きだったのに、不憫だな。
使用例②
野良猫が雨に濡れていてかわいそう。寒いよね。
不憫だね。助けてあげたいけど、家では飼えないからなぁ…
使用例③
朝から洗濯と掃除で忙しい!
お母さんは毎日忙しくて、不憫に思うよ…
不憫の類義語や言い換え、対義語
不憫の類義語と対義語についても見ていきましょう!
不憫の類義語や言い換え
不憫の類義語や言い換えとしては下記のものがあります。
かわいそう
彼女のつらい過去を聞いて、本当にかわいそうだと思ったよ…
哀れ(あわれ)
あのおばあさんはいつも孤独で哀れだから、何かお手伝いしたいな。
気の毒
彼がひどい怪我をしたとは、とても気の毒なことだね。
不憫の対義語
不憫の対義語としては下記のものがあります。
幸福
彼女の笑顔を見ると、こちらも幸福な気分になるわね!
幸せ
久しぶりに海外旅行ができて幸せだった!また行きたいな。
幸運
彼がうまくいったのは幸運だったからではなく、一生懸命努力したからだね!