今回は「パキる」という言葉について解説します。
早速ですが、「パキる」の意味は「市販薬を大量に服用することで、幸福感や高揚感を得る」です。
「市販薬でパキるんだよ」みたいに使うよ。
「パキる」自体にはさまざまな意味がありますが、なぜ上記のような意味も持つようになったのでしょうか?
この記事では「パキる」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
パキるとは?意味は「市販薬の大量服用によって幸福感や高揚感を得ること」
「パキる」の意味=市販薬の大量服用で得られる多幸感や、SNSの投稿で承認欲求を満たすことに依存した状態
パキるは、人間関係の悩みなどの精神的苦痛から逃れるために、市販の風邪薬や咳止め薬を大量に服用(オーバードーズ)して多幸感を得ている状態を表すときに使われます。
なお、「パキる」は以下の意味でも使われます。
- アルコールの過剰摂取によって酩酊状態になること
- 女子小学生向けのアーケードゲーム「プリパラ」でチケットを2つに割り、友達同士で上部を交換すること
- クライミングで主に指の腱などを損傷すること(パキっと音がすることから)
- 身体に悪いとわかっていながら、ジャンクフードや甘い物をたくさん食べて満足すること
この記事では、市販薬を大量服用するという意味の「パキる」について説明するよ。
市販薬は用量と用法を守って服用すれば安全ですが、風邪薬や咳止め薬の中には、麻薬に似た成分を含んだ依存性の強いものがあります。大量服用(オーバードーズ)を続けると、服用で得られる幸福感や高揚感から抜け出せなくなり、やめたくてもやめられない状態になっていきます。
また、内臓にも大きな負担がかかり、不整脈や肝不全を起こす場合があります。
しかし、深刻な依存状態や死に至る可能性があるにも関わらず、全国の精神科医療施設を対象とした実態調査(2020年)では、10代の薬物使用は市販薬の割合が半数以上を占めています。
10代に市販薬の大量服用者が多いのは、以下の理由が考えられます。
- 市販薬はドラッグストアやインターネットで手軽に購入でき、危険な行為をしているという意識が低くなるため。
- SNS上に市販薬の大量服用を投稿するサークルがあり、薬をたくさん飲む人が注目を集めることから、承認欲求を満たそうとして薬の量を増やす行為に走りやすいため。
市販薬の大量服用は依存や死と隣り合わせです。言葉の響きからは命を危険にさらす行為を想像しにくい「パキる」ですが、その発祥を詳しく見ていきましょう。
「パキる」はとても危険な行為なんだね。
パキるの発祥や元ネタは「抗うつ薬のパキシル」
「パキる」の元ネタ、発祥=パキシルを服用すること
パキシルは、うつ病や不安障害の治療に用いられる薬で、憂鬱な気分や不安を和らげる効果があります。
時期ははっきりしませんが、ネット上でパキシルを服用することを「パキる」と表現するようになり、次第に市販薬を大量に服用したり、アルコールを過剰に摂取したりすることで気分を高揚させるという意味に変化していったと考えられます。
パキるは、SNSで「腹が立ったのでチョコレートをたくさん食べてパキる」のように「身体に良くないことをしてしまったけれど、気持ちは満足している」という日常の出来事に使われることもありますが、発祥も含めて軽々しく使える言葉ではないことを覚えておきましょう。
「パキる」は意味を知るだけにとどめておこうね。
パキるの使い方・例文
「パキる」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
また風邪薬を買ってたけど、体調が悪いの?
市販薬でパキるんだよ。
使用例②
さっきからスマホばかり見てるけど、どうしたの?
SNSでパキる仲間を探してるんだよ。
使用例③
○○さん、元気だけど何だかフラフラしてなかった?
もしかしたら、パキってるんじゃない?
パキるの類義語や対義語
パキるの類義語と対義語についても見ていきましょう。
パキるの類義語
パキるの類義語としては下記のものがあります。
ラリる
薬物などの影響で舌が回らない状態を表す言葉です。
もしかしたら、ラリってるんじゃない?
パキるの対義語
パキるの対義語はありません。