今回は「買いかぶり」という言葉について解説します!
「買いかぶり」とは、実際の値打ちよりも高く買うこと、実力よりも高く評価・信用することという意味の言葉です。
「あまり買いかぶられるとプレッシャーを感じるよ」みたいに使うよ!
元は「実際の値打ちより高く買うことによって損害を被る・損をする」を意味する言葉でした。
この記事では「買いかぶり」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
買いかぶりとは?意味は「元の値打ちより高く買うこと・人を実力より高く信用・評価すること」
「買いかぶり」の意味=物を実際の値打ちより高く買うこと・人を実力より高く評価すること
買いかぶりとは①物を実際の値打ちよりも高く買うこと②人を実際よりも高く信用・評価すること、という意味の言葉です。
日常の会話で用いられることが多く、snsでも使われています。
現在は①の意味でははあまり用いられることはないですが、例としては次のとおり。
「昨日雰囲気に飲まれて高いバッグを買ってしまったけれど、冷静に考えると買いかぶったかもしれない。」
高く買ってしまったことを「後悔している様子」を表現しています。
今は②の意味で使われることがほとんどで、「他の人に対して使う場合」と「自分に対して使う場合」があります。
他の人に対して使う場合は「他人が実際よりも高く評価されたとき」で次のように使われます。
「今の彼にはこのプロジェクトはまだ無理じゃないかな。部長は彼を買いかぶりすぎてるよ。」
これは部長の「彼に対する評価の高さへの疑問」を表していますね。
自分に対しての場合は、「自分の実際よりも高く評価されたとき」で、例えば次のように用いられます。
「高く評価していただいて有難いのですが、部長は私を買いかぶっています。」
自分の能力を過大評価されて「プレッシャーを感じた時」になどによく使われますね。
「評価いただき、ありがとうございます。買いかぶられている気もしますが、嬉しいです。」
このように、誉め言葉をストレートに受け止めるのではなく、「謙遜するとき」にもよく使われる言葉です。
つまり、評価は嬉しいけれど一歩引いて謙虚に受け止めたい、またはそのポーズを取りたい場合です。
謙虚さや謙遜することを美徳と捉えてきた日本人には、使い勝手のいい言葉かもしれませんね。
現在はほとんど人に対しての評価や信用が実際より高い場合に使われるんだね
買いかぶりの発祥や元ネタは「品物を実際よりも高く買うことにより損をする」
「買いかぶり」の元ネタ、発祥=品物を実際よりも高く買うことにより、損をする
買いかぶりの元の意味は「物を実際の価値よりも高く買うことにより、損をする」ことです。
買いかぶりは「買い被り」と書きますが、「本来引き受けなくてもいいような物事を引き受けてしまう」という意味の「被(こうむ)る」が付くことで「買うことによって損をする」というネガティブな意味になるようです。
「人を実際よりも高く評価・信用する」意味にも使うようになったのは、明治に入ってからだと言われています。
尾崎紅葉や国木田独歩の小説にも使われているようですよ。
明治のころから人の評価や信用にも使われるようになったんだね!
買いかぶりの使い方・例文
「買いかぶり」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
自分自身に使う場合
自分を買いかぶらないように、いつも意識してるんだ
さすが!謙虚だね!
使用例②
相手が自分を実際より高く評価した場合
「~すぎ」を付けることで「高く評価しすぎる」を表す
君なら〇〇大学も一発合格だろう、期待してるよ
えっそれは買いかぶりすぎです、先生!
使用例③
謙遜して使う場合
君なら〇〇大学も一発合格だろう、期待してるよ
いやぁ、それほどでも…あまり買いかぶられても困ります~
買いかぶりの類義語や対義語
買いかぶりの類義語と対義語についても見ていきましょう!
買いかぶりの類義語
買いかぶりの類義語としては下記のものがあります。
過大評価
人と物に対して使われる
○○君を過大評価しているのでは?うちの社に入って間もない彼に任せてしまうのは危険だと思います。
ひいき目に見る
身内を評価する場合は、どうしてもひいき目に見てしまうことがあるから、意識して客観的に見ないとね。
買いかぶりの対義語
買いかぶりの対義語としては下記のものがあります。
侮る(あなど)る
相手を軽く考え、見下すこと
彼はああ見えて、かなりのやり手だからね。侮ると痛い目みるよ。
下に見る
相手を軽く見る、見下すこと
最初は小学生だと思って下に見られることが多いんだけど、一度対戦すれば相手の態度が変わるんだよ。
過小評価
実際よりも小さく評価すること
あの先生は僕の実力を過小評価することなく分かってくれているんだ!