今回は「ぎなた読み」という言葉について解説します!
「ぎなた読み」とは、日本語特有の言葉遊びを示す言葉です。
ぎなた読みって面白いなぁ。みたいに使うよ!
日本語において、言葉の区切りを変えることによって全く違う意味合いの言葉が出来上がってしまったことが発祥です。
実は、広辞苑にも載っているれっきとした日本語なんですよ!
この記事では「ぎなた読み」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
ぎなた読みとは?意味は「日本語特有の言葉遊び」
「ぎなた読み」の意味=日本語特有の言葉遊び
ぎなた読みとは語句の区切りを本来とは違う読み方をする、という意味の日本語です。
例を挙げますと、
- ここではきものをぬいでください
「ここで、履物を脱いでください」「ここでは、着物を脱いでください」
- しょうがつくった
「生姜作った」「正月、食った」
- あくのじゅうじか
「開くの、10時か」「悪の十字架」
- ゆでたまごをつくろう
「ゆで卵を作ろう」「茹でた孫を作ろう」
などがあります。
「ぎなた読み」という言葉自体にはポジティブな意味もネガティブな意味も含まれていませんが、区切りの位置が変わるだけで面白い文が怖い文になってしまったり、真面目な文がおちゃらけた文になってしまうこともあります。
この要素があるゆえに不可解で素っ頓狂な文章が生まれることがあり、それがぎなた読みの魅力にもなっています。
また、ネットではユーザーが生み出したぎなた読みがネットスラングとして定着していたり、文章を間違えて読んでしまったその言葉自体が、その間違えた人を表すニックネームになっていたりもします。
SNSでどういう意味なのかあえて言わずにぎなた読みを投稿し、理解を読み手に任せるユーザーもいます。
同じ意味を持つ言葉に「弁慶読み」もあります。
日本語だからこそ成り立つ文字遊びってことなんだね!
ぎなた読みの発祥や元ネタは「”べんけいがなぎなたをもって”という一文」
「ぎなた読み」の元ネタ、発祥=”べんけいがなぎなたをもって”という一文
「ぎなた読み」の元ネタ、発祥は”べんけいがなぎなたをもってさしころしたとさ”という一文です。
句読点がなく、ひらがなのみの構成で、ちょっと読みにくいですよね。
この文章は本来「弁慶が、薙刀(なぎなた)を持って刺し殺したとさ」と読むのですが、気分が高揚した読み手が「弁慶がな、ぎなたを持ってさ、しころしたとさ」と節を付けてしまい、区切りを間違えて読んでしまったことが由来です。
この読み手が誰であったのか、また具体的な発祥時期は不明とされています。
ぎなた読みは主に下記の3つの場から発生し、一般的な言葉として広まっていきました。
- 鎌倉・室町時代
この時代の手紙などは、平仮名書きが多用されていたため誤読が多かったようです。こんなにも昔からぎなた読みがあったなんて、歴史を感じますね。
- 幼稚園児、小学校低学年
読字力や語彙力がまだ乏しい年齢の子供たちにとっては、語句の区切りを見分けるのは時に難しいものです。そのため、平仮名ばかりで書かれている教科書はぎなた読みが多く発生します。
- 日本語文字起こし、自動変換ソフト
ソフトの精度の低いものは話した本人や文字を打った本人とは意図しない面白おかしい支離滅裂な文章になってしまうこともあります。
ネットが普及してからは、前述の通りネットスラングやニックネームが生まれ一般的に「ぎなた読み」が広がっていきました。
「ぎなた読み」という言葉自体よりは、「ぎなた読みを使った言葉(ここでははきものを~のような文章等)」が知られていますが、最初にもお伝えした通り、辞書にも載っている正真正銘の日本語です!
読み方を間違えたから生まれた言葉なんだね!
ぎなた読みの使い方・例文
「ぎなた読み」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
最近日本語の勉強をしているけど文の読み方が難しいです。
日本語は色んな読み方ができちゃうから、ぎなた読みが生まれがちだよね。
使用例②
この本面白いね!
ぎなた読みがたくさん出てくるから笑っちゃうよね。
使用例③
ねぇちゃんとふろはいってる!?
えっ、そんなわけないじゃん。一人で入ってるよ!
??
ちゃんとお風呂入ってるか聞いたんだよ。におうから。
なるほど。ぎなた読みしちゃった。
どういう風に聞こえた?
「姉ちゃんと風呂入ってる?」って。それからお風呂はちゃんと入ってるよ・・・
ぎなた読みの類義語や対義語
ぎなた読みの類義語と対義語についても見ていきましょう!
ぎなた読みの類義語
ぎなた読みの類義語としては下記のものがあります。
弁慶読み
みんなで弁慶読みを作ってみよう!
ぎなた読みの対義語
ぎなた読みの対義語は、該当するものがありません。