今回は「否応なし」という一般用語について解説します!
「否応なし」とは、嫌とも良いとも言わせず、無理やりにという意味の言葉です。
意見を聞かず、否応なしに連れ出す!みたいに使うよ!
「いや」と言う否定語と「を」と言う肯定語が組み合わさって出来た言葉です。
三味線を伴奏とする語り物の『浄瑠璃』では、1700年代から「いなもをも」と使われています。
皆さんも両親から「否応なし」に塾に通わされたり、強制的にやらされた経験はあると思います。
この記事では「否応なし」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
否応なしとは?意味は「承知も不承知も無い、判断させない」
「否応なし」の意味=自身で選ぶことができない様子
「否応なし」とは賛成や反対の意見は関係なく、自身で判断させてもらえない意味の一般用語です。
特に強制的であったり、自動的であったりする印象が強い言葉です。
ただ「否応なし」と言われると、強制的なイメージが強いですが、良い結果が出る事も多くあります。
判断基準の無い段階では強制的にでも行い、言われた事をやってみる方が失敗しにくい事も多々あります。
新人社員は「否応なし」に言われた仕事を行い、仕事を覚えていく事も大切です。
「やむを得ない」や「他人任せ」と言った類語もありますが、自分で判断しない意味も含まれます。
意見を聞いてもらえず強要されるってことなんだね!
他人の判断に身を任せる事でもあるんだね!
「腕力に訴える」とも言えますが、これは強制しているほうで、両側面が有る言葉なのが、「否応なし」です。
否応なしの発祥や元ネタは「いな」と「を」の組み合わせ
「否応なし」の元ネタ、発祥=「いな」と「を」を合わせた言葉
「いな」は否を表す否定する言葉で、「を」は応を表す承諾する言葉です。
その2つの言葉を合わせて「いなもをも」と、否定も承諾もと言う風に使用し、どちらも無い状態として「いなもをもなし」と言ったのが、「否応なし」の発祥です。
古くは浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)「さすがおなじみの喜左衛門、いやおふなしの御出」とある様に1712年には使用されていました。
これは「流石にお馴染みの喜左衛門さんが、やむを得ず出てきた」と言う事で、1712年には喜左衛門さんが否応なしに担ぎ出されています。
つまり江戸時代には使われていましたし、「いな」の元になった「いや」は平安時代には使っていた言葉です。
江戸庶民には通じていた言葉なんだ!
否応なしの使い方・例文
「否応なし」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
①飲まされた「否応なし」
昨日新人歓迎会だったんだって、どうだった?
否応なしに飲まされて、気づいたら家で寝てました!
②親に強要された「否応なし」
よくそんな事知ってるね、どこで覚えたの?
小さいころ父に否応なしに教られたから。今となっては感謝だよ!
③上司に否定させる「否応なし」
そんなプレゼンじゃ相手を納得させられないぞ!
どんなアイデアでも、否応なしに上司から却下される毎日…
否応なしの類義語や対義語
否応なしの類義語と対義語についても見ていきましょう!
否応なしの類義語
「否応なし」の類義語としては下記のものがあります。
有無を言わせず
あの上司にアイデア出したって、有無を言わせず却下だよ
不本意
そんなアイデアしかないのか?不本意だが承認してやろう!
渋々
承認してもらえたけど、かなり渋々だったから小言があるかな?
否応なしの対義語
「否応なし」の対義語としては下記のものがあります。
自発的
たまには自発的なアイデアを認めてくれても良いのにね。
自由意志
上司が慣例重視だと、自由意思でって訳には行かないよね。
独断
もっと上の人に言ってみたら?あの人の独断で判断されてもね。