今回は「蝉時雨」という言葉について解説します!
「蝉時雨」とは、時雨のような蝉の声という意味の言葉です。

「蝉時雨のようだ」みたいに使うよ!
俳句の季語として生まれました。
この記事では「蝉時雨」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
蝉時雨とは?意味は「時雨のような蝉の声」
「蝉時雨」の意味=時雨のような蝉の声
蝉時雨とは時雨のような蝉の声という意味の言葉です。
蝉が一斉に鳴き始め、まるで時雨が降ってきた様な状況を指します。
では、時雨とはどんな意味でしょうか。
時雨とは、秋の末から冬の初め頃に降ったりやんだりする通り雨のような雨のことです。
一斉に鳴き始めたと思いきや、一斉に泣きやむ蝉を、この時雨に例えたんですね。
類義語に虫時雨がありますが、こちらも時雨のように虫たちが鳴く様子を指します。



蝉が鳴いたり静かになったりする様子のことなんだね
蝉時雨の発祥や元ネタは「俳句」
「蝉時雨」の元ネタ、発祥=俳句
蝉時雨は俳句などに使われる夏の季語の一つです。
一番古い記録は俳諧・享和句帖-3年(1803)10月「浮島やうごきながらの蝉時雨」(精選版日本国語大辞典)です。
この記録の後から様々な俳句で使われるようになります。
有名な俳句をご紹介しましょう。
正岡子規『汗を吹く 茶屋の松風 蝉時雨』
(訳:蝉時雨の中、茶屋で休んでいると、かいた汗に心地よく吹く松風が吹く。)
石橋秀野『蝉時雨 子は担送車に 追ひつけず』
(訳:蝉時雨の中、子どもは私が乗る担送車に追いつくことができない。)
このように、夏の季語として現代まで使われています。



夏を表す季語の一つとして出来た言葉なんだね
蝉時雨の使い方・例文
「蝉時雨」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
夏を表す季語です。



今年も暑いねえ



そうだね。蝉時雨も響いて夏を感じるね
使用例②
俳句や文学で多く使われます。



本貸してくれてありがとう!面白かった!



でしょ!主人公の二人が蝉時雨の中歩くシーンが好きなんだ
使用例③
例に挙げる際にも使われます。



隣の家はパーティーでもやってるのか?うるさいなあ



まるで真夏の蝉時雨みたい
蝉時雨の類義語や対義語
蝉時雨の類義語と対義語についても見ていきましょう!
蝉時雨の類義語
蝉時雨の類義語としては下記のものがあります。
虫時雨
多くの虫がいっせいに鳴く声のこと。



虫時雨が降ってきた
鳴きしきる
虫や鳥などが絶え間なく鳴きつづけること。



虫が鳴きしきってるなあ
吠える



犬がよく吠えるの躾ないとだわ
蝉時雨の対義語
蝉時雨の対義語はありません。
蝉時雨の豆知識・ちょっといい話
「蝉時雨」を、もっと面白く知れる小話を紹介します。
蝉の寿命「7日」は都市伝説
セミの成虫は「寿命7日」と言われがちだが、これは正確ではなく、実際は2週間から1か月ほど生きる例も確認されている。
飼育下では生きた木からの吸汁が難しく数日で弱ってしまうことが多かったため「短命」のイメージが広まったとされる。捕まえた個体にマーキングして再捕獲する野外調査では、1か月以上生きた記録も見つかっている。



7日じゃなかったんだ。
蝉の声を「情緒」と感じる感性は日本語話者の特徴という説
蝉の鳴き声を趣深い「声」として感じ取る感性は、日本語話者など一部に特有という説がある。
ある研究では、多くの言語の話者は虫の音を機械音と同じ「雑音」として処理する一方、日本語話者は言葉と同じ脳の部位で処理していると報告されている。海外では蝉の声が単なる騒音として扱われることも多いようだ。



情緒を感じるのも文化のなせる業なんだね。
芭蕉の名句の「蝉」は種類論争があった
松尾芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」に登場する蝉の種類は、かつて歌人の間で論争になったことがある。
この句は1689年、山形の立石寺を訪れた際に詠まれ「おくのほそ道」に収められた。1926年に歌人の斎藤茂吉は句の蝉をアブラゼミと断定したが、後に現地調査を重ね、1932年にニイニイゼミが正しいと訂正した。



一句の蝉の種類まで調べ尽くすなんて、すごい執念だね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「蝉時雨」の意味や使い方の理解の参考になれば幸いです。