今回は「平仄を合わせる」という言葉について解説します。
「平仄を合わせる」は「ひょうそくをあわせる」と読み、「矛盾等がないように、順序や筋道を整えること」という意味で使用されるビジネス用語です。
難しい言葉だ…
この記事では「平仄を合わせる」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
最後まで読んで頂ければ、あなたも「平仄を合わせる)」を使いこなせるようになること間違いなし!という事で興味がある方は記事の続きへどうぞ!
「平仄を合わせる」の意味や読み方は?
「平仄を合わせる」の読み方
「ひょうそくをあわせる」と読みます。
「平仄を合わせる」の意味①
「平仄を合わせる」とは、日本の伝統的な詩歌の形式である「和歌」や「俳句」などにおいて、文中の各音節を平仮名の「平(ひら)」と「仮名(かな)」の「仄(ほぼ)」に分け、その平仮名と仮名の配列を整え、詩歌のリズムを整えることを指します。
具体的には、和歌や俳句では、5・7・5・7・7の音数で構成されており、この音数に合わせて平仄を調整します。平仮名は1音節で「平」、仮名は1音節で「仄」と数えます。つまり、5・7・5・7・7の各行において、それぞれ7音節、5音節、7音節、5音節、7音節のうち、平仄のバランスを整えて、読みやすく、また美しく韻律の整った詩歌を作り上げることが求められます。
例えば、「春眠暁を覚えず」(しゅんみんぎょうをおぼえず)という句では、「春」「暁」「覚」が平字で、「眠」「を」「え」「ず」が仄字です。この句では、平仄が交互に並んでいてリズムが整っていますよね。
しかし、「春眠夜明けに起きられない」という日本語訳では、「春」「夜」「起」が平字で、「眠」「明」「け」「に」「き」「られ」「ない」が仄字です。この場合、平仄が不規則に並んでいてリズムが乱れています。
平仄を合わせることによって、文のリズムや音の響きが整い、詩歌の雰囲気がより深まります。また、和歌や俳句などの詩歌形式は、時間や季節の移り変わりを表現するためのものであり、平仄を合わせることによって、その季節感や情景をより鮮明に伝えることができます。
詩歌の作品によっては、平仄を合わせるために意味や言葉の選び方が制限される場合もあります。また、平仄を正確に把握するには、日本語の音韻体系についての深い知識が必要となるため、初心者にとっては難しい作業です。
「平仄を合わせる」の意味②
また、「平仄を合わせる」という言葉は物事の順序や道理や筋道を整えることも意味します。
例えば、「話す前に平仄を合わせておけよ」と言った場合は、「話す前に順序やつじつまを整理しておけよ」という意味になります。「平仄が合わない」と言った場合は、「順序やつじつまが矛盾している」という意味になります。
主にビジネスシーンで使われる事が多く、現代ではこちらの使い方がメインですね。
「平仄を合わせる」の発祥や元ネタ、由来は?
前述の様に、「平仄を合わせる」という表現は漢詩や漢文における「平字」と「仄字」の取り合わせに由来します。
平仄の発祥については、はっきりとした情報が存在していませんが、古代中国の詩経には平仄が用いられていることが知られています。また、日本の和歌においても、平仄の使用が確認されており、これらの詩や歌が平仄を合わせる技術の発祥となったと考えられています。
「平仄を合わせる」の使い方や例文
平仄を合わせるの使い方や例文を紹介します
①物事の順序や道理や筋道を整える際の使い方
1番目の使い方は、漢文などにおける「平字」と「仄字」の取り合わせから来ています。この場合、「平仄を合わせる」は、「順序やつじつまを合わせる」「筋道を立てる」「整理する」という意味になります。例えば、
- 論文を書く前に、平仄を合わせておきましょう。
- 会議で発表する際は、話す内容に平仄があっているか確認してください。
- あなたの考え方には平仄がなさすぎます。
②自分の都合の良いように言い換えてごまかすこと
2番目の使い方は、自分の都合によって事実と異なることを言ったり、言葉を変えたりすることです。この場合、「平仄を合わせる」は、「ごまかす」「言い訳する」「言い繕う」という意味になります。例えば、
- 彼女は浮気相手と一緒だったけど、私に対して平仄を合わせて嘘をついた。
- 上司から叱られた後、部下に対して自分の責任だと平仄を合わせた。
- 彼は遅刻した理由について色々と平仄を合わせて話したが、誰も信じなかった。
以上が「平仄を合わせる」の使い方や例文です。ビジネスシーンでも使える便利な表現ですね。
「平仄を合わせる」の類義語や対義語
「平仄を合わせる」には、次のような類義語や対義語があります
「平仄を合わせる」の類義語
- 順序やつじつまを合わせる
- 筋道を立てる
- 整理する
- ごまかす
- 言い訳する
- 言い繕う
これらの類義語は、「平仄を合わせる」の意味に応じて使い分けられます。例えば、
- 論文を書く前に、順序やつじつまを合わせておきましょう。
- 会議で発表する際は、筋道を立てた話し方が重要です。
- あなたの考え方には整理が必要です。
- 彼女は浮気相手と一緒だったけど、私に対してごまかして嘘をついた。
- 上司から叱られた後、部下に対して自分の責任だと言い訳した。
- 彼は遅刻した理由について色々と言い繕って話したが、誰も信じなかった。
「平仄を合わせる」の対義語
「平仄を合わせる」には、次のような対義語があります。
- 平仄が合わない
- 順序やつじつまが合わない
- 筋道が立たない
- 整理できない
- 正直に話す
- 素直に謝る
これらの対義語は、「平仄を合わせる」の意味に応じて使い分けられます。例えば、
- 彼女の話と彼氏の話では平仄が合わなかった。
- 過去の指示と今回の指示では順序やつじつまが合っていなかった。
- あなたの考え方には筋道が立っていません。