今回は、「しかし」という言葉の言い換え表現を紹介します!
「しかし」は、前の文章の内容に対して、反対・矛盾する内容をその後に述べるときに使用する「逆説」の接続詞です。
「逆接」とは、「前の文と後の文が反対・矛盾の関係にある」または、「前の文の内容からみると、結果が想定外のものになる」接続の関係のことです。
この「しかし」は、話し言葉(口語)として使用すると、堅苦しい印象を与えます。
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反対に「しかし」は、フォーマルな場で使用する言葉で、主に書き言葉(文語)で用いられます。
この記事では「しかし」の言い換え語を、15語紹介しています!興味がある方は記事の続きへどうぞ!
しかしの”フォーマルな”言い換え・類語!ビジネスやレポートで使える言葉を紹介!
まずはしかしのフォーマルな言い換え語、類語を紹介します。
ビジネスシーンやレポートで使うには、フォーマルな言葉が向いています。
①しかしながら
「しかしながら」=「前文の内容をある程度認めつつも、真逆の内容をその後の文で述べる」という言葉
「しかしながら」は、「しかし」よりもやや改まった場面で使用できる言い方です。
ビジネスシーンでは、書き言葉(文語)としても話し言葉(口語)としても用いることができます。
ただし、カジュアルな場面で使用すると相手に厳しい印象をもたれてしまう可能性があるため、注意しましょう。
また漢字表記では「併し乍ら」「然し乍ら」ですが、古い書き方のため、現代では平仮名で書くのが一般的です。
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②ですが
「ですが」=「直前の言葉を否定する」意味
「ですが」は、丁寧な接続の言葉です。
しかし、使い方によっては、会話する相手や読み手にかなり厳しい印象を与えてしまう言葉でもあります。
加えて、「ですが」は尊敬語や謙譲語ではありません。
そのため、上司や取引先といった目上の人物に使うのは、できる限り避けるべき言葉です。
また、一般的には文中に使う言葉のため、文頭には使用しません。
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③ところが
「ところが」=「前の文の内容から想像されるものと、矛盾あるいは対立する内容を示す」際に使う言葉
「ところが」は、その後に意外な事柄を述べる際に用いられる接続詞です。
「ところが」から続くその後の文章に対して、驚きをもたせます。
そのため、接続詞の「ところが」を使用し主張を後文に延べることで、内容を更に強調することができます。
このような性質のため、書き言葉(文語)として使用することが多いです。
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④けれども
「けれども」=「前に述べた内容に対して、順当でないことを述べる」ときに使う言葉
「けれども」は、一般的に順当とは思えない内容を、その後に述べる際に使用されることが多い言葉です。
「けれども」に近い言葉として、「けれど」「けど」という言葉があります。
しかし「けれど」「けど」は口語的な言葉であり、非常にカジュアルな言い回しです。
そのなかでも一番フォーマルな言葉が「けれども」です。
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⑤とは言うものの
「とは言うものの」=「前の事柄を確認しながら、後に矛盾することを述べる」際の言葉
「とは言うものの」は、「しかし」と同じ「逆接」の言葉です。
「しかし」との違いは、前の内容を認めつつも、後の内容を強調する点です。
前に述べている事柄を、完全には否定しないということです。
また「とは言うものの」は書き言葉(文語)としても、話し言葉(口語)としても使用できます。
表記する際は、「とはいうものの」と全て平仮名で書いても問題ありません。
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⑥さりとて
「さりとて」=少し古めかしい「そうだからといって」
「さりとて」は、古文で使用されていることが多い、やや古い言葉です。
そのため、仕事やレポートで使用するのは避けるべきです。
しかし現代でも、小説等の文章に使用されることがあります。
文学的で印象似残る文章を作る際に、用いると良いかもしれません。
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⑦それにもかかわらず
「それにもかかわらず」=「前の事柄に対し、矛盾することを述べる」際に使う言葉
この言葉は、書き言葉(文語)として使用される割合が高いです。
前後の文が相反する関係にある際に、用いられます。
また表記に関して、漢字では「拘わらず」と書きます。
「関わらず」と誤って覚えている人が多いため、間違えないよう注意しましょう。
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⑦しかるに
「しかるに」=「それにもかかわらず」と同じ意味の文語
「しかるに」も「さりとて」と同じく古文でも用いられ、現代でも小説等に使用される言葉です。
逆接の意味で使用される場合は、「しかし」の言い換え語となります。
ただし順接として用いたり、「前の文章の内容を確定的なものとして、後の文章へ繋げる」ときに用いたりすることもあります。
そのため、文脈には注意が必要です。
また漢字では「然るに」「而るに」と書く場合もあります。
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しかしの”カジュアル”な言い換え・類語!
しかしのカジュアルな言い換え語、類語を紹介します。
ビジネスシーンやレポートで使うのには向いていませんが、親しみやすい表現に言い換える時に役立ちます。
⑨ただ
「ただ」=「前の内容に念のため補足する」意味
「ただ」は本来「補足の接続」ですが、近年は「しかし」との区別が曖昧になっていることが多くなっています。
そのため、公の場で明確に逆接として使用するのは避けるべきです。
しかし、一般的な場面での使用ならばあまり問題はありません。
敢えて使用する際は、誤解を与えないように気をつけましょう。
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⑩が
「が」=接続助詞として使用する場合「逆接」の意味
接続助詞の「が」はあまり文頭では使用しませんが、話し言葉(口語)として利用する人もいます。
文章で書く際はでは文頭に書かないようにし、話し言葉(口語)として使用する際も、状況や相手に注意しましょう。
この「が」は、基本的には逆接として使用します。
ですが、順当に文章を繋ぐ「順接」として使用する場合もあります。
話し言葉(口語)の場合は問題ありませんが、書き言葉(文語)、特に正式な文章の場合は混乱を招きます。
そのため、基本的に「が」は「逆接」として使用すべき言葉です。
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⑪でも
「でも」=「前の内容に対して、対照的なことを後から述べる」言葉
「でも」は「しかし」より、さらにカジュアルな言い回しです。
気軽な話し言葉(口語)として使用されることが多いため、フォーマルな場ではできる限り避けましょう。
また、書き言葉(文語)で使用すると幼く見えてしまいます。
仕事での使用は控えるべき言葉です。
親しい関係の相手との使用に留めましょう。
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⑫だけど
「だけど」=「前文で述べられた内容と、後文で述べられる内容が正反対であることを表す」言葉
「だけど」は、「だけれども」「だけれど」のくだけた言葉です。
カジュアルな言葉ですので、目上の人物や公の場で使用するのは避けましょう。
また、書き言葉(文語)として使用すると文全体が幼い印象となるため、別の言葉に置き換えた方が良いです。
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⑬なのに
「なのに」=「前文の内容に対し、対照的なものをその後に述べる」という言葉
「なのに」は、カジュアルな話し言葉(口語)として使われます。
そのため、書き言葉(文語)として使用するのは避けるべき言葉です。
また「それなのに」という言葉から、「それ」を省略した言葉として使用される場合もあります。
日常使いする場合は、細かな区別はありません。
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⑭だが
「だが」=「しかし」と同じく「前に述べた内容と、反対・対立する事柄を述べる」際の言葉
「だが」と「しかし」に違いはほとんどありません。
強いて言えば、「だが」は書き言葉(文語)として使用されることが多いようです。
話し言葉(口語)として使用する場合は、きつい印象を相手に与えてしまうため、注意が必要です。
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⑮そのくせ
「そのくせ」=「前の文の内容が、後の文の内容に対して不適切である」ときに使用する言葉
「そのくせ」は、前と後の文が互いに批判的な関係だということを表す際に用いられることが多いようです。
基本的には話し言葉(口語)で使用しますが、書き言葉(文語)として小説等で使われることもあります。
何かを批判するときに用いるため、使用場所、相手には注意が必要でしょう。
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