今回は「バンカラ」というスラングについて解説します!
「バンカラ」とは、荒々しい言動やそのような行動をとる人のことです。
彼はバンカラを気取ってる、みたいに使うよ!
『ハイカラ』と真逆な風貌の人たちを、ハイカラをもじって「バンカラ」と呼ぶようになりました。
なんと、明治時代から使われている言葉なんですよ!
この記事では「バンカラ」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
バンカラとは?意味は「粗野で野蛮な人、行動」
「バンカラ」の意味=粗野で野蛮な人、行動
バンカラとは粗野で野蛮な人、行動という意味のスラングです。
明治時代の旧制中学・高校の男子学生の間で、以下のような服装を指して使われていました。
- 擦り切れた学生服、着物、帽子
- 高下駄
- ぼさぼさの長髪
- マント
- ポケットに手拭い
身なりに無頓着、強そう、ちょっと乱暴という印象を受けますね。
長髪に関しては、明治時代初期(1871年)に散髪脱刀令(「ちょんまげしなくていいよ!刀も持たなくていいよ!」とルール。)が出されてから、男性の間では西洋風に髪を短く切るのが流行しました。この、「西洋風気取った散切り頭!」に対してのアンチテーゼで「長髪!」だと考えられます。
上記のような服装を良しとする人たちにとってはポジティブな意味合いになりますが、おしゃれな人たちからすると「バンカラ」はネガティブな意味合いです。
これまで粗野、粗暴、野蛮などの言葉を用いてバンカラを説明してきましたが、これは決して内面のことを指しているわけではありません。あくまでも目に見える「身なり」や「言動」の範囲内です。
バンカラから派生した、バンカラ気質という言葉は「見た目にこだわってなくてちょっと野蛮に見えるけど中身はしっかりしている人」という意味を持ちます。
バンカラと同じ意味を持つ言葉に「弊衣破帽(へいいはぼう)」があります。こちらも、粗暴でむさくるしいという意味です。
バンカラには「無頓着、硬派、骨太」なイメージがあり、このような風貌や気質が『番長』を連想させ、「番カラ」という表現が使われることもあります。
荒々しい人や行動ってことなんだね!
バンカラの発祥や元ネタは「”ハイカラ”の対語」
「バンカラ」の元ネタ、発祥=”ハイカラ”の対語
バンカラの元ネタ、発祥は”ハイカラ”のアンチテーゼとして作られた言葉です。
ハイカラとは、生活や服装に西洋様式を取り入れているおしゃれでキザな人たちを指す言葉です。「はいからさんが通る」など、作品名を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
このハイカラの語源は、”ハイカラー(high collar)”=”高い襟”なのですが、明治30年頃に男性の間で人気だったのが、ワイシャツに高い襟「ハイカラー」をつけることでした。
当時の新聞記者「石川半山」がこの”ハイカラー”を着る気取った外交官を見て「西洋かぶれ」「外面だけの中身のない人間」という皮肉の意味を込めて「ハイカラ」を使ったのが始まりです。
明治時代、様々な西洋文化が日本に入り始めましたがそのようなものに飛びつくことなく、見かけにとらわれず内面を重視した人たちを「バンカラ」と呼ぶようになりました。
その後、主に旧制高等学校の生徒の間で使われていきます。(旧制高等学校とは、明治時代~昭和時代前期にかけての高等教育機関。エリート男子のための、大学進学に向けた予備教育の場。)
現在は、学校の応援団の服装が典型的なバンカラスタイルのため、これらを指して使われることもあります。
”ハイカラ”を皮肉った言葉なんだね!
バンカラの使い方・例文
「バンカラ」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
最近、彼はどんな感じ?
高校に入学してからバンカラを気取りだしてるのよ。
使用例②
あの転入生、ハイカラな感じだね。
この学校、バンカラな奴ばっかりなんだよな。大丈夫かなぁ。
使用例③
あの人、いつも荒々しいよね。
バンカラ気質だからねぇ。本当は優しいやつなんだよ!
バンカラの類義語や対義語
バンカラの類義語と対義語についても見ていきましょう!
バンカラの類義語
バンカラの類義語としては下記のものがあります。
弊衣破帽
君の服はいつも弊衣破帽だね。
バンカラの対義語
バンカラの対義語としては下記のものがあります。
ハイカラ
彼女はいつもハイカラなファッションセンスで回りを魅了しているね。