今回は「ブルジョワ」という言葉について解説します!
「ブルジョワ」とは、① 中世ヨーロッパにおける商工業者。市民。町人。 ② 資本階級に属する人。③ お金持ち・資産家 。という3つの意味のある言葉です。
1つは、「ブルジョワな暮らしをする。」という使い方をします。
「ブルジョワ」という言葉は、「城壁に住む人」という発祥の語源から、時代の流れと共に3つの意味する言葉へと変遷しています。
この記事では「ブルジョワ」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
ブルジョワとは? 意味は3つある
「 ブルジョワ 」の意味=① 中世ヨーロッパにおける商工業者。市民。町人。 ② 資本階級に属する人。③ お金持ち・資産家 。という意味の言葉
「ブルジョワ」という言葉は、時代の移ろいと共に3つの意味があります。
これはなぜか?
時代によって「 ブルジョワ 」という言葉の意味が変遷していったからです。
① 中世ヨーロッパにおける商工業者。市民。町人
当時のヨーロッパでは、上流市民である貴族と下層市民である農民に位置した階級がありました。「中産階級」と呼ばれる階級です。この中産階級に位置した商工業者・市民のことを「ブルジョワ」と呼んでいたのです。
現在でも使われるようになった「ブルジョワ」の由来が、中世ヨーロッパの「市民」にあるとも言われています。
② 資本階級に属する人
「資本家」とは、「土地や工場などの生産手段を持っている人」のことを指します。要するに「財産を多く持っている人」ということです。
この意味で使う場合は、「マルクス主義の中での資本階級」という位置付けで使われます。マルクスは、土地や工場などの生産手段を持たない労働者に対して、逆に生産手段を持った人々のことを「ブルジョワ」と定義したのです。この階級に属する人々のことを「資産が有る」と書いて「有産階級」と呼ぶこともあります。
③ お金持ち・資産家
この意味は、現代社会でよく使われています。20世紀後半以降の社会では、階級という概念が取り払われるようになりました。しかし、当時の名残りがある為、お金持ちや不動産などの資産を多く持っている人のことを現在でも「ブルジョワ」と呼んでいるのです。
主な使い方としては、「あいつはブルジョワだ」「ブルジョワな生活をする」などがあります。
以上のことから考えますと、「ブルジョワ」本来の意味は「お金持ち」ではなかったということが分かるかと思います。元々「ブルジョワ」は、中世では「都市(bours)の市民」を指す言葉でした。すなわち「市民」が語源なのです。
ところが、時代が進むにつれて「中産階級」⇨「資本家階級」⇨「お金持ち」と意味が変わっていったということです。
したがって、もしも「ブルジョワ」という言葉が使われていた場合、それがどの時代の「ブルジョワ」を指しているのかを見極める必要があります。
補足として、「ブルジョワ」と似た言葉として、「ブルジョワジー」があります。両者の違いとしては、「ブルジョワ」は個別・個人を指し、「ブルジョワジー」は集団を指すという特徴が挙げられます。つまり、「富裕者」と「富裕層」の違いと同じことです。
時代が移ろいゆき、3つも意味があるのね。
ブルジョワの発祥や元ネタは「城壁に住む人」
「ブルジョワ」の元ネタ、発祥=城壁に住む人(フランス語)
「 ブルジョワ 」と呼ばれていた人物の歴史とは。
「 ブルジョワ 」という言葉の語源・始まりは、“ 城壁に住む市民 ”のことをフランス語で指し示していました。中世ヨーロッパ時代において、安全なエリアに住む市民とそうではない市民とを分ける言葉として使われていたのです。
ここから「 ブルジョワ 」という言葉は、産業革命の後、貴族と農民の間の階級・市民の階級を示す言葉へと変化。“ 雇われ人と雇人 ”という階級を示す言葉へと変化していきます。
市民分けと耳にすると嫌な気持ちになる方々もいらっしゃると推察いたします。
この時代の当時は、階級を分けることで秩序が保たれていました。
当時においては、市民の階級を分けることは、雇う者と雇われる者の間の力関係を示すことが出来るので、市民の秩序を保つ為の正解だったのです。
しかし、徐々に雇われる側である労働者側の権力が強まってくると市民分けをする必要が無くなり、どちらが階級が上という境界が無くなっていきました。
現在の日本では、「 ブルジョワ 」= お金持ち という固定概念・認識がありますが、実は若干相違があります。
「 ブルジョワ 」の本来の意味は、実はお金持ちではなく、ただの“ 中流階級に位置する立場の人 ”です。人を雇い、人を動かすという経営者の立場に当たるだけの人達です。確かにこの人達には、お金持ちの人もいますが、お金持ちの人以外では、赤字で経営している人達も中流階級に当たります。
「 ブルジョワ 」は、市民の階級を示す言葉です。実際は、お金持ちを示す言葉とお金持ちであるかどうかは不透明を示す言葉となります。
市民の階級を示す言葉なんだね!
「ブルジョワ」の使い方・例文
「ブルジョワ」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例① 「ブルジョワ」は、「市民」という意味の場合
市民革命では、ブルジョワにより特権階級が倒された。
ブルジョワの位置付けがはっきりしているね!
使用例② 「ブルジョワ」は、「資本家階級の人」という意味の場合
資本主義の発達により、ブルジョワが労働者を酷使する問題点が浮き彫りとなった。
当時のヨーロッパは、ブルジョワとプロレタリアによる対立構造もあったよね。
使用例③ 「ブルジョワ」は、「お金持ち・資産家」という意味の場合
夕ご飯は久しぶりに回転寿司でも行こうか? 実は・・・ポイントが貯まっているんだよね。
もう、ブルジョワなんだから。
「ブルジョワ」の類義語や対義語
「ブルジョワ」の類義語と対義語についても見ていきましょう!
「ブルジョワ」の類義語
「ブルジョワ」の類義語としては下記のものがあります。
リッチ
彼らは土地に油があることを発見して、一財産築いた。
億万長者
私の夢は、億万長者になることです。
セレブ
キャリアもあって、セレブな夫も手に入れて、本当に幸せよね。
「ブルジョワ」の対義語
「ブルジョワ」の対義語としては下記のものがあります。
プロレタリア
プロレタリアは、革命において鎖のほか失うべきものをもたない。
ワーキングプア
働く貧困層…
金欠
今月は金欠状態…当たれ!宝くじ!