今回は「近郊」という言葉について解説します!
早速ですが、「近郊」は、都市周辺の地域という意味の言葉です。
「このお菓子、関東近郊でしか売ってないんだよ」みたいに使うよ!
普段何気なく使っている「近郊」ですが、具体的にはどこまでの範囲を指すのでしょうか?
この記事では「近郊」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
近郊とは?意味は「都市周辺の地域」
「近郊」の意味=都市周辺の地域
近郊は、都市周辺の地域という意味の言葉です。
例えば、「東京近郊」は「東京周辺の地域」という意味になります。
ところが、近郊という言葉に、「都市から〇㎞以内の範囲を近郊とする」という厳密な定義はありません。
近郊によく似た言葉に、
- 郊外:都市に隣接した地域。町外れ。
- 近所:近い場所のこと。
- 近隣:ごく近い隣家。
- 付近:ある場所の近く。
があります。
意味を比べると、都市という一定の広さを持った地域を基準とするのが「近郊」「郊外」、自分の家といった特定の地点を基準とするのが「近所」「近隣」「付近」と分けることができそうですが、具体的な距離は示されていません。
そのため、最初に例に挙げた「東京近郊」と聞いて、東京に近接する埼玉県、神奈川県、千葉県を思い浮かべる人もいれば、通勤・通学圏内として茨城県を含める人もいるかもしれません。
基準が曖昧な「近郊」について、独自の範囲を定めている業界もあります。
- 不動産業界:都市・勤務先・学校までの所要時間が1時間以内の地域を「近郊」
- 旅行業界:都市中心部から100km、2時間以内で行ける観光地や行楽地を「近郊」
「近郊」の範囲は異なりますが、居住者や観光客が、大きな負担を感じずに移動できることを重視しているようです。
ここまで、「近郊」には厳密な定義がないことを説明してきました。
次は、「近郊」という言葉そのものについて見ていきましょう。
「近郊」って、何となくイメージで使っていたかも。
近郊の発祥や元ネタは「都の近く」
「近郊」の元ネタ、発祥=都の近く
「近郊」の発祥ははっきりしませんが、『小学館新選漢和辞典』第八版によると、
- 「郊」という字は、左側の「交」が交通、右側の「阝(おおざと)」が国を表す
- 「郊」は国内の四方に道が通じている地域で、都の近くをいう
とあります。
また、『周礼』(しゅらい)という書物の地官・載師の項目に「近郊」「遠郊」の記載があり、詳しい解釈や説明をまとめた『周礼注疏』(しゅらいちゅうそ)には、「五十里を近郊と為し、百里を遠郊と為す」とあります。
現在は使われていませんが、周の時代の一里は、メートルに換算すると約400mです。
したがって、近郊とされた五十里は約20km、遠郊とされた百里は約40kmです。
現代に置き換えると、都庁(東京都新宿区)から埼玉県さいたま市までが約20km、千葉県千葉市までが約40kmです。
関西なら、大阪府大阪市から京都府京都市までが約43kmです。
もちろん、紀元前の中国王朝である周と現代の日本を単純に比較することはできません。
しかし、交通網の発達や移動手段の増加により、「近郊」の範囲が広がっていることは確かです。
「○○近郊」と聞いて、自分ならどこまでの範囲を思い浮かべるか、考えてみるのも面白いかもしれません。
まずは、自分が住んでいる都道府県の「近郊」を考えてみようかな?
近郊の使い方・例文
「近郊」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
あれ、そのお菓子どうしたの?
このお菓子、関東近郊でしか売ってないんだよ。
お土産にちょうどいいね!俺も買ってくる。
使用例②
一人暮らしには慣れた?
この部屋、都内近郊が売りのはずなのに、大学まで2時間かかるの~。
電車の乗り換え、結構複雑だもんね。
使用例③
さっきからバスがひっきりなしに来るね。
大阪近郊に行くバスだよ。ほとんどがこのバスターミナル発着だから。
近郊の類義語や対義語
近郊の類義語と対義語についても見ていきましょう!
近郊の類義語
近郊の類義語としては下記のものがあります。
郊外
都市に隣接した地域。町外れという意味です。
ポストにチラシが入ってたよ!
あら、こんな郊外にショッピングモールができるの?便利になるわね!
近郊の対義語
近郊の対義語としては下記のものがあります。
遠郊
「えんこう」と読みます。都市から離れた地域という意味です。
新鮮な高原野菜をスーパーで買えるのはありがたいわね。
今は、遠郊で作った野菜を新鮮なまま輸送できるみたい。