今回は「メメントモリ」という言葉について解説します!
「メメントモリ」とは、「死を忘れるな」という意味のラテン語の言葉です。
「メメントモリの精神で頑張ろう。」みたいに使うよ!
古代ローマ時代から使われており、沢山の人達に影響を与えた言葉です。
この記事では「メメントモリ」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
メメントモリとは?意味は「ラテン語で『死を忘れるな』」
「メメントモリ」の意味=ラテン語で「死を忘れるな」
「メメントモリ」とは「自分がいつか必ず死ぬということを忘れるな」「死を想え」という意味のラテン語の格言です。
「メメントモリ」は古代ローマの時代から現在にいたるまで、人々にインスピレーションを与え、様々な解釈をされ思想、芸術作品、宗教など大きく影響を与えてきました。
命の儚さを考えて、「死」が身近にあることを理解し受け入れることで、「生きる」という事を深く考えます。これによってで改めて今この瞬間に生きている大切さを感じることができます。一見「死」というワードからネガティブな意味にとらえてしまうかもしれませんが、「死を意識することによって今を大切にし、より良く生きることができる」というポジティブな意味が込められています。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズが米スタンフォード大学の2005年の卒業式でのスピーチは、現代のメメントモリにおける重要な示唆をしています。
自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。
出典:「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳
米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて(日本経済新聞)
いつかは死ぬと考え、毎日を大切に生きようという格言なんだね。
メメントモリの発祥や元ネタは「ラテン語の警句」
「メメントモリ」の元ネタ、発祥=ラテン語の警句
2022年10月にバンク・オブ・イノベーションが「メメントモリ」という名前のスマートフォン及びパソコン向けのゲームアプリをリリースし、2週間で世界での収益が32億円を突破するという人気を誇り、「メメントモリ」という言葉が幅広く普及されました。
そんな「メメントモリ」の起源は、古代ローマ時代に、当時の戦争に勝利した将軍が、凱旋式のパレードを行う時に、使用人に「メメントモリ」と言わせていました。
このことで「今日は戦に勝っても明日はどうなるかはわからない。常に死と隣り合わせだ。」と将軍に肝に銘じるようにとの警句とされていました。
その後、キリスト教では道徳的な意味合いで広まり、絵画やジュエリーなど、芸術作品や装飾品のモチーフとして広く表現されました。
「メメントモリ」が有名になったのは14~15世紀ごろと言われており、14世紀中ごろヨーロッパで流行したペスト(黒死病)がきっかけです。この時代は多くの命が奪われたという背景から、「死の舞踏」というメメントモリをテーマとした絵画や彫刻などの芸術作品が流行しました。この作品は、身分や貧富の差があったとしても最後にはみんな平等に必ず死を迎えるということを表現しています。
現代「メメントモリ」は死が自分の身近にあることを理解し、今生きている事を実感し、より良く生きようという解釈として使われています。
「死」はどの人にも平等に迎えることを表しているんだね。
メメントモリの使い方・例文
「メメントモリ」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
いつも自由に楽しそうで羨ましい、その秘訣ってあるの?
メメントモリの心を忘れずに毎日過ごしているよ。
使用例②
お兄ちゃんは、過去の栄光にずっとすがっているよね。
彼にはもっとメメントモリの考えを持ったくれたらいいな。
使用例③
タトゥー素敵だね。何て書いてあるの?
「memento mori(メメントモリ)」だよ。私のモットーなんだ!
メメントモリの類義語や対義語
メメントモリの類義語と対義語についても見ていきましょう!
メメントモリの類義語
メメントモリの類義語としては下記のものがあります。
ヴァニタス
人はいつか死ぬため、生きるとは儚いという意味です。
ヴァニタスの絵画を観に美術館へ行こう。
メメントモリの対義語
メメントモリの対義語としては下記のものがあります。
カルペディエム
死を意識せずに今を大事に生きようという意味です。
カルペディエムという言葉は私のモットーなんだ。