今回は「冥利に尽きる」という一般用語について解説します!
「冥利に尽きる」とは、この上ない恩恵を貰って、ありがたく感じるという意味の言葉です。
社長から礼を言われるなんて、社員冥利に尽きますみたいに使うよ!
冥利と言う仏教用語から来ていて、知らないうちに仏や菩薩(ぼさつ)からご利益を頂いている状態を、「冥利に尽きる」と言います。
現在だと、教師冥利に尽きるや、作家冥利に尽きるなど、ご利益よりも過大に評価して貰えた時に、使うことが多いです。
「冥利」という言葉は、「お金では買えない恩恵」という意味を持っています。そのため、「役得」という意味で使うのは間違いです。
先ほどの様に、「恩恵を貰ってありがたく感じる」事と、全く別の意味で、「仏や菩薩から見放される」事の意味も、辞書には掲載されていますが、現在では「ありがたく感じる」意味で使用されます。
この記事では「冥利に尽きる」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
冥利に尽きるとは?意味は「今の立場や状況に、幸福感を得られる」
「冥利に尽きる」の意味=今の立場や状況における、最高に幸福な気持ちである事を伝える
冥利に尽きるとは、身分や立場によって受ける恩恵が非常に多いため、そのありがたさが過度であり、もったいないと感じるという意味の一般用語です。
感謝の気持ちを周りに伝えるためってことなんだね!
「教え子が教育者になるなんて、教師冥利に尽きる」とか、「このような賞を頂けるなんて、作家冥利に尽きます」とか、自分の想定外に幸福な事が起こった際に、使用されます。
また「商売冥利」の様に、もしいい加減な商売をしたら、その冥利を失っても構わないと言う、覚悟を表す表現で使用されることもあります。
普段使うことはあまりない言葉ですが、感動して喜びを感じた時などは、ぜひ「〇〇冥利に尽きる」と言ってみましょう。
冥利に尽きるの発祥や元ネタは「仏教用語の冥利」
「冥利に尽きる」の元ネタ、発祥=仏教用語の冥利から
「冥利に尽きる」という表現は、もともと仏教の言葉です。
冥利とは、仏様や菩薩様が知らない間に授けてくれる恩恵のことを指します。
「冥利」は「冥 加利益」(みょう がりやく)と言う仏教用語で、仏様や菩薩間のご加護を皆受けていて、それを知らない内に、受ける恩恵やご利益のことを言いました。
仏様・菩薩様が人知れず与えるご利益って事なんだね。
仏様の中でも最高位にいるのが如来で、それに次ぐのが菩薩様ですので、トップ2からの恩恵という事ですね。
また逆に「冥利」が「尽きる」意味として、「恩恵が途切れる」意味もあります。
冥利に尽きるの使い方・例文
「冥利に尽きる」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
①料理がおいしい時の「冥利に尽きる」
ママの料理はおいしいね。全部食べちゃうよ。
作ったママは、主婦冥利に尽きるってものよね。
②繁盛してる時の「冥利に尽きる」
また買いに来ちゃったよ、今回も良い商品教えて。
お客さんがリピートして来てくれる、接客冥利に尽きます。
③褒めたたえる「冥利に尽きる」
凄い動画ね、やり方を全部公開して分かりやすいわ。
動画編集者として冥利に尽きるコメント、有難う。
冥利に尽きるの類義語や対義語
冥利に尽きるの類義語と対義語についても見ていきましょう!
冥利に尽きるの類義語
「冥利に尽きる」の類義語としては下記のものがあります。
幸運の絶頂
娘が生まれた時が、幸福の絶頂でした。
果報者
お客さんが指名でくるなんて、僕は何て果報者なんだ。
恐れ多い
あの方と話しできるなんて、恐れ多い事です。
冥利に尽きるの対義語
「冥利に尽きる」の対義語としては下記のものがあります。
不運に見舞われる
不運に見舞われる時って、何で幾つも重なるんだろう。
逆境に立つ
逆境に立ってこそ、本領が発揮出来るもんだよ。
不幸な運命
また振られた、私なんて不幸な運命をたどるしかないのかな。