今回は「ナマポ」という言葉について解説します!
早速ですが、「ナマポ」は、生活保護や生活保護受給者の蔑称です。
「あの人、ナマポかも。」みたいに使うよ!
ナマポは「生活保護」の略語ですが、単なる略語ではなく、生活保護や生活保護受給者を軽蔑して使う言葉です。
なぜ、このような言葉が生まれたのでしょうか?
この記事では「ナマポ」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
ナマポとは?意味は「生活保護や生活保護受給者」
「ナマポ」の意味=生活保護や生活保護受給者の蔑称
ナマポは「生活保護」の略語です。
「生保」と略すと生命保険の略語と混同してしまうため、ナマポになったと考えられます。
注意したいのは、ナマポが単なる略語ではなく、生活保護や生活保護受給者の蔑称として使われるということです。
生活保護は、日本国憲法第25条の生存権を守るために国が設けた援助の仕組みです。国には、生存権(すべての人が人間らしく生活を送る権利)が脅かされた国民の生活を支え、自立を助ける責任があります。そして、国民も生活が困窮したときは、生活保護を受ける権利があります。
このような国民の生活と自立を助けるための制度であるにも関わらず、なぜ、ナマポという表現を使ってまで生活保護を批判したり、生活保護受給者を軽蔑したりするようになったのでしょうか?
ナマポが侮蔑的な意味を持ち、ネット上で広まったきっかけについて詳しく見ていきましょう。
「ナマポ」を使う人は、生活保護や生活保護受給者に悪いイメージを持っているみたいだね。
ナマポの発祥や元ネタは「生活保護や生活保護受給者への不満や不信」
「ナマポ」の元ネタ、発祥=生活保護が抱える矛盾や不正受給に対する怒りが生んだ言葉
生活保護や生活保護受給者への侮蔑を含んだナマポという言葉が生まれたのは、2000年頃のことです。
背景には二つの要因があると考えられます。
一つ目は、生活保護が抱える矛盾です。生活保護は、申請者の困窮の状況や生活能力によって給付額が決まるため、場合によってはその地域の最低時給を上回ることがあります。2000年代は、非正規雇用者の数が増加している時期だったため、将来に不安を抱える若者を中心に、働いているのに生活保護よりも収入が少ないことへの不満が生まれました。
二つ目は、生活できる収入があるにも関わらず、年収や健康状態を偽って生活保護を受ける不正受給問題です。ネット上では、働かずにパチンコに興じる生活保護受給者の目撃情報が多数投稿されるようになりました。更に2012年、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護を受けていたこと、不正受給の疑いがあることが報道されるようになると、「ナマポ」という言葉も広まっていき、世間の生活保護受給者への風当たりは一層強くなりました。
上記のことから、生活保護や生活保護受給者に対して、「まじめに働くよりも生活保護を受けた方が得なのは不公平だ」、「生活保護受給者は働きたくない怠け者だ」という否定的なイメージが付いたと考えられます。
しかし、ナマポはさまざまな事情を抱えて生活保護を受けている人を深く傷つける言葉です。意味を知るにとどめ、日常生活でもネット上でも使うのは控えましょう。
「ナマポ」は安易に使わないようにしようね。
ナマポの使い方・例文
「ナマポ」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
ナマポは蔑称のため、人に対しては軽蔑、自分に対しては自虐の意味で使われます。
使用例①生活保護を意味する「ナマポ」
この会社、お給料が全然上がらないよね。
もう、ナマポで暮らしたいよ。
使用例②生活保護受給者を意味する「ナマポ」
ねえ、あの人今日もパチンコ屋さんに並んでるよ。
毎日見るよね。あの人、ナマポかも。
使用例③自虐の意味の「ナマポ」
毎日仕事で大変だよ。
ナマポの俺は毎日楽しいよ。
ナマポの類義語や対義語
ナマポの類義語と対義語についても見ていきましょう!
ナマポの類義語
ナマポの類義語はありませんが、生活保護の類義語としては、下記のものがあります。
セーフティネット
セーフティネットは、社会的な支援や保護の仕組みのことです。
失業とか病気とか、将来のことを考えると不安だよ。
日本にはセーフティネットがあるから大丈夫だよ。
ナマポの対義語
ナマポの対義語はありません。