今回は「暖簾に腕押し」という言葉について解説します!
「暖簾に腕押し」とは、「手応えがない」「張り合いがない」という意味の言葉です。
「どれだけ言っても、暖簾に腕押しだ」みたいに使うよ!
暖簾を手で押す行為、もしくは暖簾との腕相撲が語源だとされています。
この記事では「暖簾に腕押し」という言葉の詳しい意味や発祥、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
暖簾に腕押しとは?意味は「手応えがない」「張り合いがない」
「暖簾に腕押し」の意味=「手応えがない」「張り合いがない」
「暖簾に腕押し」とは「手応えがない」「張り合いがない」という意味の言葉です。
具体的には、正面から何かアクションを起こしても、まるで手応えを感じられず拍子抜けすることを表します。
加えて、何を言っても対象が真面目に受け答えしないこともいいます。
相手のそのリアクションに対して、諦めた気持ちや空しい気持ちも込められています。
そのため、相手に何かを訴えても思っていたような反応がない等の、ネガティブな場面で用いられる場合が多いようです。
また日常生活だけでなく、ビジネスシーンでも利用できる言葉となっています。
相手から思ったような反応がなかった時に使う言葉なんだね!
「暖簾に腕押し」は暖簾を手で押す行為、もしくは暖簾との腕相撲が語源
「暖簾に腕押し」の語源=「暖簾を手で押す行為」と「暖簾との腕相撲」の2説
「暖簾に腕押し」の語源には、「暖簾を手で押す行為」と「暖簾との腕相撲」の2説があります。
まず、最初の「暖簾にを手で押す行為」からという説について説明します。
暖簾とは布がかけられているだけの物です。
よって、手で押しても押されるがままであり、反発されるわけではありません。
その手応えのなさから生まれた言葉です。
次は「暖簾との腕相撲」という説についてです。
「腕押し」とは「腕相撲」のことであり、暖簾相手に腕相撲をしても手応えがなく無意味であるということからできたとされています。
「腕押し」の他、かつては「相撲」「脛押し」と言われていたこともあったようです。
布に対して何かをしても、手応えがないことから生まれた言葉なんだね!
「暖簾に腕押し」の使い方・例文
「暖簾に腕押し」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
先ほどの会議はどうだった?
良い提案をしたつもりでしたが……上層部には暖簾に腕押しでした。
使用例②
どうして疲れているんだい?
新入社員にいくら注意しても、暖簾に腕押しで全く聞いてくれないのよ。
使用例③
この間買ってすぐ壊れた商品について、会社に問い合わせはしたのか?
カスタマーセンターに連絡したんだけど、いくら訴えてもこちらの過失だと言われたよ。暖簾に腕押しだね。
「暖簾に腕押し」の類義語や対義語
「暖簾に腕押し」の類義語と対義語についても見ていきましょう!
「暖簾に腕押し」の類義語
「暖簾に腕押し」の類義語としては下記のものがあります。
糠に釘
「糠に釘」とは、まるで手応えがなく、効果のないことのたとえです。
先ほどの会議はどうだった?
良い提案をしたつもりでしたが……上層部には糠に釘でした。
豆腐にかすがい
「豆腐にかすがい」とは、少しも手ごたえがなく、効果がないことのたとえです。
北村孝一著の『ことわざを知る辞典』には、上記の「糠に釘」とともに「『糠』や『豆腐』と違って、『暖簾』の場合は、どうも相手のほうが一枚上手で、うまくあしらわれる感じが否めないのです。」とあり、ニュアンスが少々異なっているようです。
この間買ってすぐ壊れた商品について、会社に問い合わせはしたのか?
カスタマーセンターに連絡したんだけど、いくら訴えてもこちらの過失だと言われたよ。豆腐にかすがいだね。
馬の耳に念仏
「馬の耳に念仏」とは、効果の無い努力をしたり、意見を言っても相手には理解されないことを表す慣用句です。
どうして疲れているんだい?
新入社員にいくら注意しても、馬の耳に念仏で全く聞いてくれないのよ。
「暖簾に腕押し」の対義語
「暖簾に腕押し」の対義語としては下記のものがあります。
大黒柱と腕押し
「大黒柱と腕押し」とは、いくら努力しても力不足である、相手が圧倒的であるため勝ち目がないという意味の言葉です。
こちらの「腕押し」も腕相撲のことを指し、「大黒柱と腕相撲をしても到底勝ち目はない」ということから生まれました。
先ほどの会議はどうだった?
良い提案をしたつもりでしたが……他部署の提案が圧倒的でした。これ以上は大黒柱と腕押しですね。
打てば響く
「打てば響く」とは、何かを働きかけるとすぐ反応するという意味の言葉です。
どうして最近は機嫌が良いの?
今まで注意していた新入社員にやっと気持ちが伝わったのよ。打てば響く人材ね!