今回は「三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)」という言葉について解説します!
「三十六計逃げるに如かず」とは、困ったときはあれこれ考えずに逃げたほうがいいという意味の言葉です。

「苦手な上司が来るよ、三十六計逃げる如かずだ。」みたいに使うよ!
「三十六計逃げるに如かず」とは、古代中国で用いられた兵法の一つを表す語句だと言われています。
この記事では「三十六計逃げるに如かず」という言葉の詳しい意味や由来、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
三十六計逃げるに如かずとは?意味は「困ったときは逃げたほうがいい」
「三十六計逃げるに如かず」の意味=困ったときはあれこれ考えるより、逃げたほうが良い
三十六計逃げるに如かずとは、トラブルや何か困った時は、色々考えを巡らせるより逃げるのが最善という意味の言葉です。
「イヤミな先輩がこっちに来るよ、三十六計逃げるに如かずだね。」などのように、苦手な場面や難解な問題を考えて悩むより、何も考えず逃げてしまった方がいい場合もあるといった意味合いで使われることもあります。
会話で使用するというよりは、文学などで使用されることが多いです。
- 詮吉の仲間の男で、それは下宿していた家の娘に信用され、直接結婚を申し込まれたという話があった。その男は、個人的な関係から大事が壊れるといけない、三十六計逃げるに如かずと、怱怱に引越してしまった。(宮本百合子『聟』より)
- 相手が一瞬出遅れたので、フリッツ王は確実に優位に立った。倒れた悪党の首根っこを足で踏んだ。背中を壁にして安全を確保し、銃口をあとの二人に向けた。直後、誰かが通りを駆けてきた。襲撃した二人が本能的にお互いをちらと見て、逃げた。明らかにこの場合、三十六計逃げるに如かずだ。(フレッド・M・ホワイト 奥増夫訳『道化玉座』より)



「三十六計逃げるに如かず」は何も考えず逃げたほうがいい時もあるってことなんだね!
三十六計逃げるに如かずの由来や語源は「南斉書の王敬則伝」
「三十六計逃げるに如かず」の由来、語源=中国の斉の時代の歴史書「南斉書」の「王敬則伝」の一文
「三十六計逃げるに如かず」という言葉は、中国の古い時代、斉という国の歴史書「南斉書」にある「王敬則伝」という書物の一文にあります。
中国南北朝時代に、南朝の王敬則という人物が斉王の元に攻め込みましたが、斉王父子は既に逃げてしまった後でした。その際に王敬則は、壇道済が唱えた36策のうち「走為上」を引用して斉王父子をこのように嘲笑したそうです。



「檀公三十六策、走是上計」(だんこうさんじゅうろくさく、にぐるをこれさいじょうのけいとする)
これが「三十六計逃げるに如かず」という言葉の原文になりました。



「三十六計逃げるに如かず」は、中国の歴史書から生まれたんだね!
三十六計逃げるに如かずの使い方・例文
「三十六計逃げるに如かず」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①



最近、仕事で大きな問題が起きて、どうしていいかわからないんだよ。



大変だね、でも一回問題から逃げてみたら?三十六計逃げるに如かずって言うし、一旦距離を置いてみるのも一つの解決策だと思うよ。
使用例②



明日のテスト勉強、全然進んでいなくて焦ってばっかりだよ。



焦ってばっかりいないで、一旦休憩したら?時には一呼吸置くのも必要かもしれないよ。三十六計逃げるに如かずって言うし、少し息抜きしてみるのもいいかもしれないよ。
使用例③



彼女と最近すれ違いが多くて、うまくいっていないんだ。



それは辛いね。そういう時には一時的に距離を置くのも必要かもしれないよ。三十六計逃げるに如かずって言うし、少し時間をおいてみるのもいいかもしれないね。
三十六計逃げるに如かずの類義語や言い換え、対義語
三十六計逃げるに如かずの類義語と対義語についても見ていきましょう!
三十六計逃げるに如かずの類義語や言い換え
三十六計逃げるに如かずの類義語や言い換えとしては下記のものがあります。
逃げるが勝ち



仕事で問題が発生しましたが、逃げるが勝ちと思い一旦保留にしています。
負けるが勝ち



彼女と最近全然うまくいってないんだけど、負けるが勝ちの精神で少し距離を置こうと思ってるんだ。
三十六計逃げるに如かずの対義語
三十六計逃げるに如かずの対義語としては下記のものがあります。
当たって砕けろ



仕事でアクシデントに直面したんだけど、当たって砕けろの精神でぶつかったおかげで予想以上の成果が得られたよ!
三十六計逃げるに如かずの豆知識・ちょっといい話
三十六計逃げるに如かずを、もっと面白く知れる小話を紹介します。
「三十六計」は本当に36個ある
「三十六計」はたとえの数ではなく、実際に36の計略をまとめた兵法書の名前です。
勝戦・敵戦・攻戦・混戦・併戦・敗戦という6つの局面ごとに6計ずつ、合計36の策が並びます。第一計は敵をあざむいて事を進める「瞞天過海(まんてんかかい)」で、最後の第三十六計が、逃げて態勢を立て直す「走為上(そういじょう)」です。



たとえじゃなくて、ちゃんと36個そろってたんだ!
逃げるのは「最低の策」ではなく「最後の切り札」
「走為上」は、勝てないと見たら兵を温存して撤退するという、戦いを生き延びるための積極的な選択です。
由来とされる宋の檀道済(だんどうさい)は、形勢が不利と見るや素早く退いて軍をすり減らさず、結果として相手にとって厄介な存在であり続けたと伝わります。やみくもに逃げ出すのではなく、勝つために退くという発想が根っこにあります。



「逃げ=負け」じゃなく、戦力を残す賢い手だったんだね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。「三十六計逃げるに如かず」の意味や成り立ちがつかめたら、無理に踏ん張るより一度退いたほうがよい場面で、肩の力を抜いて使ってみてください。