今回は「失敗」の言い換え表現を紹介します!
「失敗」は物事をやり損なうこと、方法や目的を誤って良い結果が得られないことを表す言葉です。
この言葉は、フォーマル寄りでもカジュアル寄りでもない、ニュートラルな言葉といえます。
この記事では「失敗」の言い換え語について紹介しています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
失敗とは?意味は「予期した成果を得られない」
「失敗」の意味=予期した成果を得られないこと
「やりそこなう」「目的を果たせない」「物ごとがうまくいかない」など、さまざまなニュアンスで使われます。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは彼の失敗に終わりました。
失敗の”フォーマルな”言い換え・類語!ビジネスやレポートで使える言葉を紹介!
まずは「失敗」のフォーマルな言い換え語、類語を紹介します。
ビジネスシーンやレポートで使うには、フォーマルな言葉が向いています。
①失策
失策=「するべきことを怠ること、し損なうこと、やり損ない」の意味
失策とは、複数人で組んで目標を立てて実行したが、方法を間違ってしまったことで悪い結果になったことをいいます。つまり、失策とは人為的なミスということです。
一方で、失敗はうまくやろうと実行したが、期待とは全く違う結果になってしまったことをいいます。失敗の原因には、失策や人災などの人為的なミスがありますが、その他に自然災害などの不可抗力なものも含まれます。したがって、失策は失敗の原因の一つであるといえるでしょう。
また、失策は、野球・ソフトボール・クリケットにおいて、野手が守備を失敗すること(=エラー)も意味します。
失策は、スポーツの分野からビジネスまで幅広く使われる、ややフォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは失策に終わりました。
②失態
失態=「失敗して対面を失うこと、面目を損なうようなしくじり」の意味
「失態」とは、しくじることで人に笑われたり、自分の名誉が傷ついたりすることをいいます。
一方で、「失敗」は単に物事をやり損なうことをいいます。
つまり、「失態」は「失敗」よりも体面を失うということに重きを置いていることに違いがあるといえます。そこから、「失態」は「失敗」よりも深刻な失敗であるという印象を受けます。
「失態」は、ビジネスなど改まった場で使われるややフォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクト中断は彼の失態でした。
③必要試技
必要試技=「失敗は成長や成功を手にするために必要な技術や能力を確認することである」の意味
「試技」とは、元々スポーツ・競技において一定回数許される演技の一回ごとの演技や試合前の予備的な演技のことをいいます。そこから、スポーツ・競技に限らず、新しい技術や能力を試し確認することを指す言葉として使われるようになりました。
それを「必要試技」とすることで、何か新しいことを始めたり、期待する結果を出すために必要な技術や能力の確認という意味を持たせることができます。つまり、「失敗」というネガティブな事象の多くは、確かな成長や成功を手にするための「必要試技」であるとポジティブな表現に置き換えることができるでしょう。
「必要試技」は、ビジネスなどでも使えるややフォーマルな表現といえるでしょう。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは中断こそしましたが、彼にとって必要試技となりました。
④頓挫
頓挫=「勢いが急に弱まること、計画や事業などが遂行できなくなること」の意味
「頓」は「にわかに」、「挫」は「くじける、途中で勢いが弱まる」という意味を持ちます。この二つを合わせた「頓挫」は、「途中で急にダメになる」という意味になります。
「頓挫」はビジネス用語としてよく使われる言葉です。例えば、事業、開発計画、生産予定などに対して、途中で中止になったり、何らかの事情でダメになったりした時に使われることがあります。
また、「頓挫」は医療分野でも使われます。「痙攣が頓挫する」というフレーズでは「痙攣が治まった」という意味を表します。
「頓挫」はビジネスシーンや医療現場で使われるややフォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは頓挫することとなりました。
⑤蹉跌(さてつ)
蹉跌=「物事がうまく進まず、しくじること」の意味
「蹉跌」の「蹉」と「跌」は、共に訓読みで「つまずく」と読み、足を踏み外すことや、物事の途中で予期せぬ障害に突き当たって失敗することを表します。したがって、「蹉跌」は物事が期待と違ってうまく進まない状態を意味します。
その語源から「蹉跌」は、走っている馬が何かにつまずいて前のめりになるいう意味で、競馬用語としても使われます。
日常会話ではほとんど使われず、書き言葉として小説や純文学において文章中で使われることが多い、フォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトに蹉跌を来しました。
⑥不首尾
不首尾=「首尾が悪いこと、成り行きが思わしくないこと、結果が悪いこと、具合が悪いこと、評判が悪いこと」の意味
「不首尾」とは、「首尾」が「物事の始まりから終わりまで」を意味し、それを「不」という言葉で打ち消すことから、「物事の初めから終わりまでがうまくいかないこと」という意味になりました。「首尾」の意味が広がるにつれ、この「うまくいかないこと」という解釈も広がり、「終始が一貫しないこと」、「成り行きや結果がよくないこと」、「具合が悪いこと」、「評判が悪いこと」などの意味を持つようになったと考えられます。
「不首尾」は日常会話ではあまり使われず、書き言葉として文学作品などで目にするフォーマルな言葉といえます。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは不首尾に終わりました。
⑦不結果
不結果=「結果がよくないこと、また、そのさまやその結果」の意味
「結果」という言葉には、「優れた成果」という意味があり、それを「不」という言葉で打ち消すことで、「不結果」に「結果がよくないこと」という意味を持たせるようになったと考えられます。
「不結果」は「不首尾」と同様に「不結果に終わる」というフレーズで使われます。
「不結果」も日常会話というよりは書き言葉として文学作品などで使われる、フォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは不結果に終わりました。
⑧不成功
不成功=「成功しないこと、また、そのさま」の意味
「不成功」は、文字通り、「成功」を「不」という言葉で打ち消す形で、「成功しないこと」という意味を持つようになったと考えられます。
「不首尾」や「不結果」ほど堅くなく、日常会話からビジネスまで広く使われる、ややフォーマルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは不成功に終わりました。
失敗の”カジュアル”な言い換え・類語!
「失敗」のカジュアルな言い換え語、類語を紹介します。
ビジネスシーンやレポートで使うのには向いていませんが、親しみやすい表現に言い換える時に役立ちます。
⑨不発
不発=「弾丸・爆薬などが発射・爆発しないこと、予定した行動が実際にはできずに終わること」の意味
「不発」と「失敗」の違いは、「失敗」は「実行したが失敗となったもの」も「実行できずに終わったもの」含むが、「不発」は「実行できずに終わったもの」のみであるということが考えられます。
「不発」はカジュアル寄りでもフォーマル寄りでもない、ニュートラルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは不発に終わりました。
⑩一生の不作
一生の不作=「生涯かかわる失敗、取り返しのつかない過ち」の意味
「不作」には「作物のできが悪いこと」という意味に加えて、「人や作品のできが悪いこと」という意味があります。「一生の不作」という表現は後述の意味から派生したと考えられます。
「一生の不作」は生涯かかわるような、とても大きな失敗であり、その重大さが「失敗」との違いといえるでしょう。
類似表現として、「百年の不作」という表現もあります。こちらは「悪妻は百年の不作」というフレーズでよく使われます。
「一生の不作」はカジュアル寄りでもフォーマル寄りでもない、ニュートラルな言葉といえるでしょう。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは彼にとって一生の不作となりました。
⑪挫折
挫折=「仕事や計画などが途中で失敗しダメになること。また、そのために意欲・気力をなくすこと」の意味
「挫折」も「失敗」も何らかの目標が実現できないことは同じです。しかし、二つの違いは「失敗」は、目標が実現ができないこと、そのための方法が間違っていたことを判断できた状態であるのに対し、「挫折」は次へ向かう意欲や気力までなくし、目標実現を諦めてしまっていることにあります。つまり、「失敗」は客観的な判断で、「挫折」は主観的な判断であるといえます。
「挫折」は、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われるニュートラルな言葉です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは彼にとって挫折に終わりました。
⑫挑戦した証
挑戦した証=「失敗は挑戦した結果である」の意味
「挑戦した証」は、失敗をポジティブに言い換えた表現です。
失敗は挑戦したからこそ起こった結果であり、むしろ挑戦した自分を褒めるべきだと、挑戦した人を称える言葉です。
この表現は日常生活からビジネスシーンまで使える、ニュートラルな表現です。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは中断こそしましたが、彼が挑戦した証でもあります。
⑬必要な経験
必要な経験=「失敗は成功や成長のために必要な経験である」の意味
「必要な経験」とは、失敗は自分の成功や成長の過程に付きものだと、失敗した人を励ます言葉です。
また、これも失敗をポジティブに言い換えた表現の一つといえるでしょう。
日常会話でよく使われる言葉を用いており、どちらかというとややカジュアルな表現と考えられます。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りとなりました。そのプロジェクトは中断こそしましたが、彼にとって必要な経験になりました。
⑭いい勉強
いい勉強=「失敗は学びの機会である」の意味
「いい勉強」は、失敗は成長や成功のためのチャンスであると、「必要な経験」と同様に失敗をポジティブに捉える言葉です。
この言葉は、失敗した人を励まし、さらに、失敗への向き合い方や失敗を乗り越えるたくましさなどを示唆していると考えられます。
「いい勉強」は「必要な経験」以上にシンプルな言葉であるため、カジュアルな言葉であるといえるでしょう。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りになったよ。そのプロジェクトは中断こそしたけれど、彼にとっていい勉強になったようだ。
⑮空振り
空振り=「ある目的を持ってとった行動が当てが外れて失敗すること」の意味
「空振り」とは、野球やテニスなどで、振ったバットやラケットなどが球に当たらないこと、あるいは、棒やこぶしなどでたたこうとして相手に当たらないことをいいます。このような意味から転じて、失敗することを比喩的に表現したものが枠内の意味です。
「空振り」は、比喩的に表現することで、今となっては笑い話だというようなニュアンスで、失敗を軽く受け止めている印象を受けます。そのため、この表現を使う際は相手や状況を見極める必要があります。
「空振り」は、とてもくだけたカジュアルな表現のため、親しい友人や家族間で使われることが多いでしょう。
彼が手がけた商品開発は3か月で打ち切りになった。そのプロジェクトは彼の空振りに終わったよ。