今回は「全員野球」という言葉について解説します!
「全員野球」とは立場に関係なく一丸となって試合や目標に向かって取り組むことを意味する言葉です。
「苦境を乗り越えるために全員野球でいこう!」みたいに使うよ!
「全員野球」は高校野球から生まれた言葉です。
この記事では「全員野球」という言葉の詳しい意味や由来、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
全員野球とは?意味は「立場に関係なく一丸となって試合や目標に向かって取り組むこと」
「全員野球」の意味=立場に関係なく一丸となって試合や目標に向かって取り組むこと
「全員野球」とは立場に関係なく一丸となって試合や目標に向かって取り組むことを意味する言葉です。
文字通り野球(特に高校野球)で使われたり、ビジネスシーンなどでは比喩的な表現として目標に向かって全員一丸となって取り組むときに使われたりします。
困難や苦境に直面した際に鼓舞するように使われており、ポジティブなニュアンスを持つといえるでしょう。
「全員野球」はいわゆる「おじさんビジネス用語(おっさんビジネス用語)」のひとつとされており、言葉の生まれた時代や背景から主に40~50歳代以上のX世代・ベビーブーマー世代に用いられています。2018年には安部元総理大臣が改造内閣のことを「全員野球内閣」と名付け話題になりました。
「直球」「続投」「ストライクゾーン」などの野球用語がおじさん世代の比喩表現として多用される背景には、昭和の時代の巨人を中心とした野球人気、国民的スポーツとして野球が定着したことがあると考えられます。
なお、「おじさんビジネス用語」は他にも「ガラガラポン」(白紙に戻す)、「音頭をとる」(仕事を仕切る)、「一丁目一番地」(最優先事項)など多数存在します。若手社員の大半は意味を知らないどころか聞いたことすらないかもしれません。ユーモアを交えた円滑なコミュニケーションのつもりが、話が通じていなかったということもあり得るので使用には注意しましょう。
【若者には通じない「おじさんビジネス用語」に注意!】
「全員野球」は皆で力を合わせて頑張ろう!ってことなんだね!
「全員野球」の由来は「高校野球」
「全員野球」の由来=高校野球
「全員野球」は高校野球から生まれた言葉です。
考案者は都立高校の野球部監督・佐藤道輔氏(1938年9月8日 – 2009年6月16日)。複数の都立高校にて野球部監督を歴任し、都立東大和高校着任後は西東京大会で2回(1978年・1985年)準優勝に導き同校は「元祖都立の星」と呼ばれました。
当時の高校野球は私立高校が中心で、公立高校は地区大会でもなかなか勝ち進めない。また勝利至上主義でレギュラーメンバーが練習の中心、それ以外の選手や下級生が練習場の整備・球拾いなどの雑用をするのが当たり前でした。
そんな中で佐藤氏はあくまで高校野球は野球を通じた教育であるとし、「全員野球」の理念のもとレギュラーや補欠・学年など立場に関係なく、普段から全員が協力して雑用を担い同じ練習メニューに取り組むことを貫きました。
佐藤氏の「全員野球」に基づいた活動や信念は「甲子園の心を求めて」(1975年)などの著書を通じて、後の指導者や野球ファンに多大な影響を与えています。
「全員野球」は野球部の監督が考えたんだね!
全員野球の使い方・例文
「全員野球」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
今回のプロジェクトは各部署の協力が不可欠ですね。
そうだね。部署の垣根を越えて全員野球で乗り切ろう!
使用例②
努力したって明日の試合には勝てっこないよ。
手強い相手だけど、こういうときこそ全員野球で臨んでいこう!
使用例③
僕は掃除苦手だから皆に任せるよ。
大掃除はみんなでやれば楽しいし全員野球で家をピカピカにするわよ!
全員野球の類義語や言い換え、対義語
全員野球の類義語と対義語についても見ていきましょう!
全員野球の類義語や言い換え
全員野球の類義語や言い換えとしては下記のものがあります。
一致団結
皆が一致団結すれば成功への道が開けるよ!
総力戦
相手もこちらも消耗してる。総力戦で乗り切ろう!
力を合わせて
相手は強敵だけど、力を合わせて戦おう。
全員野球の対義語
全員野球の対義語としては下記のものがあります。
個人プレー
個々の能力を発揮すること。
個人プレーで実力を発揮するのもいいけど、皆で協力することも大切だよ。
ワンマンプレー
自分勝手な、自己中心的な行動を指すネガティブな表現。
君のワンマンプレーでチームの皆がどれだけ振り回されているかわかるかい?
独りよがり
独りよがりな言動でチームの和を乱さないでくれよ。