今回は「存外」という言葉の意味について解説します。
「存外」とは、思っていたのと違っているさま、つまり「思いのほか」「案外」という意味の言葉です。

心配していた試験、やってみたら存外かんたんでした。
読み方は「ぞんがい」です。「存外な結果」のように形容動詞としても、「存外うまくいった」のように副詞としても使えます。
この記事では「存外」の意味や語源、使い方、類義語・対義語まで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
存外とは?意味は「思いのほか・案外」
「存外」の意味=思っていたのと違って / 予想していた程度をこえて(思いのほか・案外)
あらかじめ予想していたことと、実際とがずれていたときに使う言葉です。
「存外よかった」のように予想より良かったときにも、「存外てこずった」のように予想より大変だったときにも、どちらにも使えます。
「案外」とほぼ同じ意味ですが、「存外」のほうが少し改まった、文章寄りの言い方になります。



良いほうにも悪いほうにも、両方使えるんだね。
存外の語源・成り立ち
「存(おもう・考える)」+「外(そと)」。“思っていた範囲の外”が元の意味
「存」には「思う・心にとどめる」という意味があり、「ご存じ」「存じます」の「存」と同じ字です。
その「存」に「外」が付いて、「自分が思っていた範囲の外」という意味になりました。
そこから「思っていたのと違う」「予想の外だ」という意味で使われるようになった言葉です。



「存」が“思う”という意味だったとは知らなかった。
存外の使い方・例文
「存外」を使った会話を見ていきましょう。
「予想より良かったとき」「予想より大変だったとき」「人柄について意外だったとき」の三つを見ていきます。
使用例① 予想より良かったとき
心配していたことが、うまくいった場面です。



初めての発表、緊張していたでしょう。



それが、始まってみたら存外落ち着いて話せました。
使用例② 予想より大変だったとき
簡単だと思っていたことが、手間取った場面です。



引っ越しの片づけ、もう終わりましたか。



荷物が存外多くて、まだ半分ほど残っています。
使用例③ 人柄が意外だったとき
第一印象とのギャップに気づいた場面です。



あの寡黙な部長と、話せましたか。



はい、存外話しやすい方で、すっかり打ち解けました。
「存外」の類義語や対義語
存外の類義語と対義語についても見ていきましょう。
存外の類義語
存外の類義語としては下記のものがあります。
案外(あんがい)
案外は、予想と違っているさまを表す、もっとも身近な言い方で、「存外」をやわらかく言いかえた言葉です。



難しそうに見えたけれど、案外すぐ覚えられた。
意外(いがい)
意外は、思いもよらなかったさまを表す言葉で、驚きの気持ちが「存外」より強く出る言い方です。



彼が優勝するとは、まったく意外だった。
思いのほか
思いのほかは、思っていた以上に、という意味の言い回しで、「存外」をやさしい和語で言いかえた言葉です。



今日は思いのほか冷えるので、上着を持っていこう。
存外の対義語
存外にきっちりと定まった対義語はありませんが、反対の意味合いの言葉として下記が挙げられます。
案の定(あんのじょう)
案の定は、思っていたとおりに事が運ぶことで、予想とずれる「存外」とは反対の意味を表します。



急いで準備したのに、案の定、電車は遅れていた。
存外の豆知識・ちょっといい話
存外をもっと深く知れる、ちょっとした小話を紹介します。
「ご存じ」「存じます」と同じ「存」
「存外」の「存」は、「ご存じですか」「よく存じております」の「存」と同じ字です。
「存」には「思う・心にとどめる・知っている」という意味があります。敬語でよく使う「存じます」が“思います”の意味だと分かると、「存外=思いの外」という成り立ちもすっと納得できます。一つの字を覚えると、ほかの言葉の意味まで見えてくるのが漢字の面白さです。



敬語の「存じます」とつながっていたんだね。
「案外」とのちょっとした違い
「存外」と「案外」はほぼ同じ意味ですが、雰囲気に少し違いがあります。
「案外」は会話でも気軽に使えるのに対し、「存外」はやや古風で、文章や改まった場面になじみます。手紙やあいさつ文で「存外のお励ましをいただき」のように使うと、落ち着いた大人の印象になります。場面によって使い分けると、表現の幅が広がります。



かしこまった文章には「存外」が似合うんですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。意味と使い分けを押さえて、会話や文章で上手に使ってみてください。