「たごまる」は北海道弁?意味・語源と「たごまさる」との違いも解説

当サイトのコンテンツには広告が含まれています

今回は「たごまる」という方言について解説します。

「たごまる」とは、北海道・東北を中心に使われる「糸や布が絡まってもつれた状態になる」を意味する方言です。

あー、袖がたごまった。

主に北海道・岩手・宮城・茨城北部などで使われています。

この記事では意味・どこの方言か・由来・使い方・類義語まで深掘りしています。興味がある方は記事の続きへどうぞ。

目次

たごまるとは?意味は「絡まってもつれる」

「たごまる」の意味=糸・布・衣服が絡まってもつれた状態になること

「たごまる」とは糸・ひも・布・衣服などが絡まってくしゃくしゃに固まること、もつれた状態になることを指す方言です。

セーターの下に着た長袖シャツの袖が引っかかってたまってしまう状態や、ズボンの裾が丸まって絡まってしまう状態などを「たごまる」と表現します。北海道では「たごまさる」(意図せず絡まってしまう)という形もよく使われます。

セーター着たら中のシャツの袖がたごまってしまった。

たごまるはどこの方言?

たごまる=北海道・東北(岩手・宮城など)を中心とした方言

「たごまる」は北海道・岩手・宮城・茨城北部などで使われる方言です。特に北海道での使用頻度が高く、「たごまさる」という形もよく耳にします。

「たごまる」は標準語にぴったり対応する言葉がなく、「絡まる」「もつれる」「縮まる」などで説明することになります。北海道や東北出身者が上京すると、「袖がたごまった」が通じなくて驚く——そんなエピソードも多い語です。

東京で「ズボンの裾がたごまった」って言ったら誰にも通じなくて、方言やったって初めて知った。

たごまるの由来・語源

語源①:古語「たぐまる」から転訛した説

有力な説として、古語「たぐまる」(しわが寄ってたるんだ状態になる・ちぢまる)が転訛して「たごまる」になったとされています。「たぐまる」は現代の標準語にはない古い語で、「縮まる・よれる」といったニュアンスを持ちます。

「たぐまる」という古語が北海道・東北に残って「たごまる」になったんですか…方言は古語の宝庫ですね。

語源②:「手繰る(たぐる)」から来た説

もう一つの見方は、「手繰る(たぐる)」という動詞に由来し、「手繰り寄せたようにくしゃくしゃになった状態になる」という意味から「たごまる」が生まれたという説です。

「手繰る」は糸などを手で手前に引き寄せる動作を指す語で、糸が手元でくしゃっと固まるイメージから「たごまる」の意味につながるとも説明されます。諸説あり、どちらが正確かは確定していません。

「手繰る→たごまる」だとしたら、糸をたぐり寄せてぐちゃっとなる動作が目に浮かびますね。

「たごまさる」という北海道独自の使い方

北海道では、「たごまさる」という形で使われることが多く、これは「意図せずに絡まってしまう」というニュアンスを持つことが特徴です。北海道方言の「〜さる」(自分の意思と関係なく〜してしまう)という助動詞が付いた形で、「裾がたごまさった」(裾が勝手に絡まってしまった)のように使われます。

「たごまる」と「たごまさる」って意味が少し違うんですね。「さる」が付くと意図してないニュアンスになるんか。

たごまるの使い方・例文

「たごまった」(絡まった状態)「たごまらせる」(絡まらせる)などの形でも使われます。

使用例① 衣服が絡まった場面

セーターなど重ね着したときに中の袖が絡まってしまう場面です。

セーター着たら、中のシャツの袖がたごまってしまった。

あるある。引っ張り出してあげるよ。

使用例② ひもが絡まった場面

イヤホンのコードや袋のひもなどが絡まった場面です。

イヤホンのコードがたごまって、なかなかほどけない。

コードはくるくる丸めて収納するとたごまりにくいよ。

使用例③ 意図せず絡まった(たごまさる)

北海道でよく使われる「たごまさる」を使った場面です。

ズボンの裾がたごまさってて、気づいたら歩きにくくなってた。

「たごまさった」って「勝手に絡まってしまった」って意味なんですね。標準語では一言で言えない。

たごまるの類義語・対義語

たごまるの類義語(他地域の似た表現)

まがる(東北一部):ねじれる・絡まる意。地域によって「たごまる」と重複する使い方をする。

東北の一部では糸やひもが絡まる状態を「まがる」と表現することがあります。「たごまる」より軽いニュアンスで使われることが多い語です。

もつれる(標準語):絡まって解きにくくなる様子。「たごまる」に最も近い標準語表現。

「もつれる」は標準語で「たごまる」に最も近い語です。ただし「たごまる」には、くしゃっと塊になる・固まるというニュアンスが強く、「もつれる」より状態が進んだイメージがあります。

「もつれる」だと一本一本の絡まりで、「たごまる」だとぐちゃっと固まったイメージ…言葉に表れる感覚が面白い。

たごまるの対義語

「ほどく・解く・解れる(ほつれる)」が意味の上で対義語にあたります。方言としての対義語は特にありません。

たごまるの豆知識・ちょっといい話

「たごまる」にまつわる面白い話を紹介します。

「たごまる」は古語の生き残りかもしれない

「たごまる」の語源とされる「たぐまる」は、平安時代の文書にも見られる古い語です。中央語(京言葉)では廃れた語が、地方に伝播してそのまま生き残ることがあります。北海道や東北で「たごまる」が使われているのは、こうした「方言は古語の宝庫」という現象の典型例とも言えます。

平安時代の言葉が北海道弁として今も生きてるって、なんかロマンがある。

標準語で「たごまる」を一言で言えない問題

「たごまる」は標準語にぴったり対応する一語がない珍しい語です。「糸や布がからまってくしゃくしゃに固まった状態になる」を一言で表す標準語はなく、説明しようとすると3〜4語必要になります。方言には、標準語では一語で表せない状態や感覚を的確に表す語が多くあり、「たごまる」もその一つです。

「袖がたごまった」を標準語で言うと「袖が絡まってくしゃくしゃになってしまった」…なるほど、一語で言えないですね。

明日から使えるプチ知識:「たごまる」は北海道・東北で使われる「糸や布が絡まってくしゃっと固まる」を意味する方言。語源は古語「たぐまる」の転訛説が有力で、方言が古語を保存している好例です。北海道では「たごまさる」(意図せず絡まってしまった)という形もよく使われます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「たごまる」の意味や由来を知って、北海道・東北の言葉の豊かさを少し感じてもらえたなら幸いです。

目次