今回は「しばれる」という方言について解説します。
「しばれる」とは、厳しく冷えこむ・凍りつくほど寒いことを表す方言です。

ただ「寒い」よりもっと強く、空気が痛いほどの寒さを言いあらわす言葉なんですよ。
主に北海道や東北地方で使われます。
この記事では「しばれる」の意味やどこの方言か、由来・語源、使い方、類義語まで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
しばれるとは?意味は「厳しく冷えこむ」
「しばれる」の意味=厳しく冷えこむ・凍りつくほど寒い
しばれるは、ただ寒いのではなく、凍りつくほど厳しく冷えこむ様子を表す言葉です。
標準語の「寒い」よりも程度が強く、息が白く凍り、ほおや指先が痛くなるような寒さを言いあらわします。
氷点下を下回る北海道では、冬のあいだ日常的に使われる言葉です。
「今朝はしばれるね」と言えば、ただの寒さではなく、こたえるほどの冷えこみを伝えています。



「寒い」の一段上をいく、厳しい冷えこみを表す言葉なんですね。
しばれるはどこの方言?
しばれる=北海道・東北地方で使われる方言
しばれるは、北海道や東北地方など、冬の寒さが厳しい地域で使われる方言です。
とくに北海道弁の代表格として知られ、テレビや天気の話題でもよく耳にします。
おもしろいことに、全国を対象にしたある調査では、約9割の人が「しばれる」の意味がわかると答えたという結果もあります。
方言でありながら、全国に広く通じる、めずらしい言葉だと言えます。



方言なのに全国の9割に通じるとは、ちょっと驚きですね。
しばれるの由来・語源
しばれるの由来には、語源やもとの意味についての話があります。順に見ていきましょう。
語源:「縛られる」ような寒さから来た説
有力説=寒さで身が「縛られる」ように感じることから生まれたという説
しばれるは、あまりの寒さに身が縛られるように感じることから生まれた、という説があります。
体がこわばって動きづらくなるほどの寒さを、「縛られる」という感覚で言いあらわしたと考えられています。
ほかにも諸説ありますが、寒さで体が締めつけられる感覚と結びついた言葉だという点は共通しています。



寒さで体が固まる感じを、「縛られる」と表したのが言い得て妙ですね。
「凍る」という意味も持つ
しばれるは「厳しく冷える」だけでなく「凍る」という意味でも使われる
しばれるには、気温が下がって厳しく冷えるという意味のほかに、水などが「凍る」という意味もあります。
「水道がしばれた」と言えば、水道が凍りついたことを表します。寒さと凍ることが、ひとつの言葉でつながっているわけです。
寒さの厳しい土地らしい、生活に根づいた言葉だと言えます。



寒さと凍ることが一語でつながるのは、寒い土地らしい感覚ですね。
しばれるの使い方・例文
「しばれる」を使った会話を見ていきましょう。
北海道弁の語尾「〜っしょ」「〜だべ」と合わせると、より自然になります。
使用例① 冬の朝のあいさつのとき
冷えこみのきびしい冬の朝の場面です。



今朝はしばれるね、外に出たとたん顔が痛いわ。



(よほど冷えこんでいるのね)手袋とマフラーは忘れずにいきましょう。
使用例② 凍ったものを見たとき
水道や洗濯物が凍ってしまった場面です。



夜にしばれて水道が出なくなったべ、こりゃ参ったな。



(凍りついてしまったのね)お湯でゆっくりとかすしかなさそうですね。
使用例③ 寒さの程度を伝えるとき
その日の冷えこみを話している場面です。



今日はしばれるっしょ、ただの寒いとはわけがちがうわ。



(それほど厳しい寒さなのね)あたたかい飲み物が恋しくなりますね。
しばれるの類義語や対義語
しばれるの類義語と対義語についても見ていきましょう。
しばれるの類義語
しばれるに近い標準語や、他地域の似た方言には下記のものがあります。
凍てつく・底冷えする(標準語)
凍てつく・底冷えするは、厳しく冷えこむ様子を表す標準語です。しばれると同じく、ただの寒さよりも強い冷えこみを言いあらわします。



「しばれる」は「凍てつく」に近い、強い寒さの言葉ですね。
こわい(北海道・東北の方言/凍る・固い)
北海道や東北では、凍って固くなったものを「こわい」と言うことがあります。寒さで凍りつくという点で、しばれると場面が重なることがあります。



寒い土地には、凍ることを表す言葉が豊かにあるんですね。
冷える・冷えこむ(標準語)
冷える・冷えこむは、気温が下がる様子を表す標準語です。しばれるよりは程度がおだやかで、ふだんの寒さにも広く使えます。



強い寒さは「しばれる」、ふつうの寒さは「冷える」で使い分けられますね。
しばれるの対義語
しばれるは厳しい寒さを表す言葉なので、反対はあたたかさを表す言葉になります。
標準語の「あたたかい」、北海道などで言う「ぬくい」が、しばれると反対の感覚にあたります。寒さがやわらいで、心地よいあたたかさを感じる様子をさします。



しばれる冬のあとに感じる「ぬくい」は、ことさらありがたいでしょうね。
しばれるの豆知識・ちょっといい話
しばれるをもっと深く知れる、ちょっとした小話を紹介します。
方言なのに全国の約9割に通じる
しばれるは方言でありながら、全国を対象にした調査で約9割の人が意味をわかると答えたとされています。
多くの方言は、その土地をはなれると通じにくくなります。ところがしばれるは、テレビや天気予報などを通じて、寒さを表す言葉として全国に広まりました。方言と共通語の境目にある、めずらしい言葉です。



方言が全国に通じる言葉に育っていくのは、おもしろい現象だね。
寒さを「凍る」とひとつにした言葉
しばれるは、厳しい寒さと「凍る」ことを、ひとつの言葉で言いあらわします。
標準語では「寒い」と「凍る」は別の言葉ですが、北海道では寒さがそのまま凍ることに直結します。暮らしの実感がそのまま言葉になった一例だと言えます。



くらしの感覚が、そのまま言葉の形になっているんですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。北海道で「しばれる」と耳にしたら、身が縮むほどの厳しい寒さを表しているのだと思い出してみてください。