「まんず」ってどこの方言?「まず」が変化した東北弁の意味と使い方

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今回は「まんず」という方言について解説します。

「まんず」とは、まず・とりあえずという意味で使われる東北地方の方言です。

まんず食ってみれ。うまいから。

主に秋田・岩手・青森・宮城など東北地方で広く使われており、感嘆や相槌の言葉としても親しまれています。

この記事では意味・どこの方言か・由来・使い方・類義語まで深掘りしています。興味がある方は記事の続きへどうぞ。

目次

「まんず」とは?意味は「まず・とりあえず」

「まんず」の意味=まず・とりあえず(また、感嘆・相槌としても使われる)

「まんず」は主に二つの意味で使われます。一つは「まず・とりあえず」という意味で、何かを提案するときや行動を促すときに使います。もう一つは「本当に・まあ」という感嘆・相槌の言葉としての用法で、会話の中で驚きや共感を示す際に使われます。

「まんず食ってみれ(まず食べてみて)」「まんず座れ(とりあえず座れ)」のように使います。感嘆として使う場合は「まんずまんず(本当に本当に・まあまあ)」と重ねることも多く、相手の話に感心したり、驚いたりするときの相槌になります。

「まず」がそのまま「まんず」になるのはシンプルでわかりやすい変化ですね。

「まんず」はどこの方言?

「まんず」=秋田・岩手・青森・宮城など東北地方の方言

「まんず」は東北地方全般で広く使われる方言です。秋田では特によく耳にし、岩手・青森・宮城(仙台)でも日常会話の中で使われています。地域によって「まんずまんず」「まんずな(本当にそうだね)」など使い方のバリエーションがあります。

東北地方は気候的に冬の寒さが厳しく、口を大きく開けてはっきり発音しにくい環境から、言葉が縮まって変化しやすいと言われています。「まず→まんず」のような音の変化は、東北方言に広く見られるパターンの一つです。

寒い地方の生活環境が方言の音に影響するという視点は面白いですね。

「まんず」の由来・語源

語源①:標準語「先ず(まず)」の音変化

「まんず」の語源は標準語の「先ず(まず)」がそのまま音変化したものです。漢字で書けば「先ず」と書き、「まず→まんず」という変化は、東北方言に多い「ず・づ」の前に「ん」が入り込む音変化(挿入音)の一例とされています。

「まず」自体は「最初に・ともかく・さしあたり」という意味の副詞で、平安時代から使われている古い言葉です。東北に伝わった後、地域の音韻体系の中で「まんず」へと変化し定着したと考えられています。

「まず」と「まんず」は一文字違いなのに、聞こえ方がずいぶん変わりますね。

語源②:東北方言に共通する「ん」挿入の音変化

東北方言には「ん」が入り込む音変化が比較的多く見られます。「まず→まんず」と同じように音が変化した語は他にもあり、東北の言葉の特徴の一つです。また、語末の「ず」が「ん」の影響で変化しやすい音環境も関係しています。

東北方言研究では、このような母音の縮小や「ん」挿入は、冬の厳しい気候や閉じた音節が発音しやすい環境との関連が指摘されることがあります。もちろん諸説あり、地域内でも音の出し方には個人差があります。

「ん」が入る音変化が東北全体に共通しているなら、地域のまとまりを感じる話ですね。

語源③:「まんずまんず」は重ねて強調

「まんず」を二回繰り返した「まんずまんず」は、感嘆や相槌の表現として独立した使い方をされます。「本当に本当に」「まあまあ(感心・驚き)」というニュアンスで、相手の話を聞いてしみじみ頷くような場面で使われます。秋田・岩手などで年配の方がよく使う表現です。

「まんずまんず」という音の繰り返しに、東北のゆったりとした口調が出ていますね。

「まんず」の使い方・例文

「まんず」は「まず」「とりあえず」「本当に」と置き換えられる場面で使えます。会話の中で自然に使える方言です。

使用例① 何かを促すとき

行動を促したり、何かを勧めるときに「まず」の代わりに使います。

遠くから来たんだから、まんず上がっていけ。お茶飲んでいけ。

んだっけ。まんずゆっくりしていくべ。

使用例② 感嘆・相槌として

「まんずまんず」は相手の話に感心・共感するときの相槌として使われます。

先週、腰を痛めて病院行ってきたんだ。

まんずまんず、それは大変だったね。今はどうだ?

使用例③ 提案や段取りを話すとき

これからの手順や段取りを話すときにも「まんず」が使われます。

まんずここに荷物置いて、それから準備しようか。

そうしよう。まんずやってみれば何とかなるよ。

「まんず」の類義語・対義語

「まんず」の類義語

まず・とりあえず・さしあたり・ともかく・まあ

「まんず(まず)」に対応する標準語は「まず」「とりあえず」「さしあたり」です。感嘆・相槌の用法では「まあ」「そうですね」が近いニュアンスになります。

他の東北方言の似た表現には、岩手・秋田の「んだ(そうだ・そうですね)」、宮城(仙台)の「だっちゃ(〜だよ・そうだよね)」、青森の「へば(それでは・じゃあ)」などがあります。会話の流れをつなぐ役割の語が東北方言には豊富にあります。

「んだ」「だっちゃ」「へば」「まんず」…東北の方言は会話のリズムを作る語が豊かですね。

「まんず」の対義語

「まんず(まず・とりあえず)」に対応する対義語は特にありませんが、「最終的に・結局・しまいには」などが意味の上で対照的な表現といえます。

「まんず」の豆知識・ちょっといい話

「まんず」は短い言葉の中に東北の人柄とリズムが詰まっています。知ると使いたくなる、温かみのある方言です。

「まんず」はNHK朝ドラでも登場

東北を舞台にしたNHK朝ドラでは「まんず」を含む東北方言が数多く登場します。2013年放送の「あまちゃん」(岩手・三陸が舞台)では東北弁が広く全国に知られるきっかけになりました。「まんず」のような短い方言語が自然な会話の中に登場することで、東北の温かい人間関係が画面から伝わると好評を得た方言の使い方でした。

「あまちゃん」で東北弁への親しみがぐんと増した気がします。「まんず」も聞いたことあるかも。

東北の「んだ」と「まんず」のセット使い

東北方言の会話では「んだまんず(そうだね、まず)」「まんずんだ(とりあえずそうだよ)」のように「んだ」と「まんず」を組み合わせて使うことがあります。相槌と提案を一息で言い表せるこの組み合わせは、東北の会話テンポをよく表しています。地域外の人には聞き取りにくいことも多い表現ですが、覚えると東北の人との会話がぐっと近くなります。

「んだまんず」を使いこなせたら、すっかり東北通ですね。

明日から使えるプチ知識:「まんず」は「先ず(まず)」が東北で音変化した言葉で、秋田・岩手・青森・宮城などで使われています。「まず食べてみて」→「まんず食ってみれ」のように置き換えるだけで東北弁の雰囲気が出ます。「まんずまんず(まあまあ・本当に)」と繰り返すと、相槌としても使える便利な表現です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。東北の人に会うとき、「まんず」という言葉を知っているだけで会話のきっかけになるかもしれません。

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