「ごんた」はどこの方言?意味と意外な語源を例文で解説

当サイトのコンテンツには広告が含まれています

今回は「ごんた」という方言について解説します。

「ごんた」とは、いたずらっ子・腕白な子を表す方言で、やんちゃさを愛情を込めて言うときに使います。

おばあちゃんが孫を見て「このごんたが」と笑う、あの温かい感じの言葉なんですよ。

主に大阪を中心とした関西で使われます。

この記事では「ごんた」の意味やどこの方言か、由来・語源、使い方、類義語まで深掘りしています。

興味がある方は記事の続きへどうぞ。

目次

ごんたとは?意味は「いたずらっ子・腕白な子」

「ごんた」の意味=いたずらっ子・腕白な子。やんちゃさを愛情を込めて言う言葉

ごんたは、元気いっぱいに走り回ったり、いたずらをしたりする子を、あきれながらも可愛がる気持ちで呼ぶ言葉です。

同じ意味で「ごんたくれ」と言うこともあります。

もともとは「乱暴者・ならず者・困った人」というきつい意味でした。今は、子や孫のやんちゃさを受け入れる、あたたかい言い方として使われています。

叱っているようでいて、どこか目を細めている。そんな複雑なニュアンスを一語で表せるのが、この言葉の味わいです。

怒っているのに、なぜか口元はゆるんでいる。そんなときにぴったりの言葉ですね。

ごんたはどこの方言?

ごんた=大阪を中心とした関西の方言

ごんたは大阪を中心に、関西の広い地域で使われてきた言葉です。

とくに年配の方が、孫や近所の子のやんちゃぶりを語るときに自然と口にします。

関西の外では通じにくく、初めて聞いた人は人の名前かと思うこともあるようです。

近年は関西でも、若い世代の間では耳にする機会が少しずつ減りつつあります。

関西のおじいちゃん・おばあちゃん世代に、とくになじみ深い言葉ですね。

ごんたの由来・語源

ごんたの語源には、はっきりとした由来があります。順に見ていきましょう。

語源:歌舞伎・浄瑠璃の「いがみの権太」に由来

有力説=『義経千本桜』に登場する「いがみの権太(ごんた)」が語源

ごんたは、浄瑠璃・歌舞伎『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』三段目に出てくる「いがみの権太」という人物に由来するとされています。

権太は由緒ある家の生まれでありながら、ごろつきのような生活を送る人物です。

ここから「ごんた=ならず者・乱暴者」を指すようになったと考えられています。古典芸能の登場人物名がそのまま言葉になった、めずらしい例です。

言葉のルーツが、お芝居の登場人物だったとは驚きですね。

「ならず者」から「いたずらっ子」へ意味が変わった

時代とともに、きつい意味がやわらいで「腕白な子」を指すようになった

はじめは「乱暴者・困った人」というきつい意味だったごんたは、時代とともに「いたずらっ子・腕白な子」へとやわらいでいきました。

劇中の権太は、終盤で改心する役どころで知られています。悪役なのにどこか憎めない人物です。

この「憎めなさ」が、今の「困ったやんちゃ坊主を、つい可愛がってしまう」というニュアンスにつながったと考えられます。

憎めない悪役だったからこそ、あたたかい言葉に変わっていったのですね。

「ごんたくれ」の「くれ」とは

ごんたは「ごんたくれ」とも言いますが、この「くれ」は人を表す接尾語です。

「ごんたな人」というニュアンスが加わり、より口語らしい、くだけた響きになります。

「あいつはごんたくれやから」と言えば、やんちゃな人やなあという感じになるよ。

ごんたの使い方・例文

「ごんた」を使った会話を見ていきましょう。

叱りながらも可愛がる、あの独特の温度感がポイントです。

使用例① 孫のやんちゃを、目を細めて

祖母が、走り回る孫を見て話す場面です。

おばあちゃん、見て見て、こんな高いとこ登れたよ!

(危なっかしいけど、元気でなにより)まあ、あんたは昔からごんたやなぁ。

使用例② いたずらをした子を、あきれながら

母親が、いたずらをくり返す子をたしなめる場面です。

えへへ、壁にお絵かきしちゃった。

(また始まった)もう、ごんたばっかりして。今度はちゃんと紙に描こうね。

使用例③ 身内のやんちゃぶりを語る

ご近所さんと、子どもの話をしている場面です。

おたくのお子さん、活発でええですねぇ。

(毎日てんてこ舞いで)うちのはごんたで、もうじっとしてくれへんのですわ。

ごんたの類義語や対義語

ごんたの類義語と対義語についても見ていきましょう。

ごんたの類義語

ごんたに近い標準語や、関連する言い方には下記のものがあります。

やんちゃ(標準語)

やんちゃは、子どもがいたずらをしたり、わがままに元気よくふるまったりする様子を表す言葉です。ごんたにいちばん近い言い方です。

「やんちゃな子」は、ほぼそのまま「ごんた」に置きかえられますね。

わんぱく・腕白(標準語)

わんぱく(腕白)は、子どもが言うことを聞かず、元気いっぱいに暴れまわる様子を表します。ごんたの「腕白な子」の意味にぴったり重なります。

「わんぱく坊主」と言えば、元気なごんたっ子のイメージそのものですね。

ごんたくれ(関西の方言)

ごんたくれは、ごんたに人を表す「くれ」がついた言い方です。「やんちゃな人」というくだけた響きで、ごんたとほぼ同じ意味で使われます。

「このごんたくれが」と言えば、親しみを込めたやんちゃへの呼びかけになります。

ごんたの対義語

ごんたには、ぴったり当てはまる対義語はありません。

あえて言えば「おとなしい子」や、関西でよく言う「ええ子(いい子)」が、反対の様子にあたります。

「ほんま、ええ子やね」と言えば、手のかからない素直な子という意味になりますよ。

ごんたの豆知識・ちょっといい話

ごんたをもっと深く知れる、ちょっとした小話を紹介します。

語源が古典芸能の登場人物名というめずらしさ

ごんたは、お芝居の登場人物の名前がそのまま言葉になった、めずらしい成り立ちを持っています。

『義経千本桜』の「いがみの権太」が、人気芝居を通じて広く知られ、いつしか「ごんた=やんちゃ」という言葉として定着しました。芝居が人々の暮らしに身近だった時代らしい広がり方です。

有名なお芝居の役名が、日常の言葉になっていたとは面白いですね。

「憎めない悪役」だから愛情がこもる

いがみの権太は、終盤で改心する「憎めない悪役」として親しまれてきた人物です。

悪さをしても、どこか放っておけない。そんな権太の人物像が、今の「困ったやんちゃ坊主を、つい可愛がってしまう」というあたたかいニュアンスにつながっています。叱り言葉なのに愛情がにじむのは、ここに理由があるのかもしれません。

叱り言葉なのにあたたかいのは、元の人物のおかげなんだね。

少しずつ聞かれなくなってきた言葉

ごんたは、近年では関西でも耳にする機会が減りつつある言葉です。

「やんちゃ」など標準語の言い方が広がるなかで、年配の方の口から聞くことが多い言葉になってきました。だからこそ、意味と由来を知っておくと、関西の祖父母世代との会話がぐっと近づきます。

明日から使えるプチ知識:関西で「ごんた」と言われたら、叱られているようでいて、実はやんちゃさを可愛がられているサインです。きつい言葉として受け取らず、笑って返すと会話がはずみます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。関西で「ごんた」と耳にしたら、やんちゃさを愛情を込めて受け止めた言葉なのだと思い出してみてください。

目次