今回は「縫う」の言い換えや類語を紹介します!
「縫う」とは、針と糸で布や物をつなぎ合わせたり、すき間を抜けるように進んだりすることを表す言葉です。

ボタンが取れたから、あとで縫っておかなきゃ。
同じ「縫う」でも、裁縫の作業と、医療の縫合と、人混みを抜ける比喩とでは、ふさわしい言葉が変わってきます。
言い換えを知っておくと、縫合する・縫製する・仕立てるなどを、場面に合わせて選び分けられます。
この記事では「縫う」の言い換えを15語紹介しています!気になる方は記事の続きへどうぞ!
縫うの“フォーマルな”言い換え・類語!ビジネスや裁縫・医療でも使える言葉を紹介!
まずは、縫うのフォーマルな言い換え・類語を紹介します。
専門的な響きの言葉が多く、仕事の文章や医療の場面でも落ち着いて使えます。
①縫合する


縫合する=傷口や切り口を、糸で縫い合わせて閉じることを表す言葉
縫合する(ほうごうする)は、けがの傷口や手術の切開部を、糸で縫い閉じることを表す医療向きの言葉です。
医療や看護の記録で、処置の内容を正確に伝えたいときに向いています。



傷が深いので、数針ほど縫合する必要があります。
②縫製する


縫製する=布地を縫って、衣服や製品に仕上げることを表す言葉
縫製する(ほうせいする)は、布を縫い合わせて衣服や袋などの製品に作り上げる、ものづくりの言葉です。
工場やアパレルの現場で、作る工程をひとまとめに示せる言い方です。



この製品は、国内の工場で一着ずつ縫製しております。
③仕立てる


仕立てる=布を縫って、一着の衣服に作り上げることを表す言葉
仕立てる(したてる)は、反物や布地を裁って縫い、着物や洋服を形にすることを表す言葉です。
職人の手で丁寧に作る雰囲気があり、オーダーメイドの話題に合います。



祖母が、この生地で着物を仕立ててくれました。
④繕う


繕う=破れやほつれを縫って、直すことを表す言葉
繕う(つくろう)は、衣服の破れやほつれを縫って、もとどおりに直すことを表す言葉です。
新しく作るのではなく、傷んだ部分を直す作業を上品に言い表せます。



ほつれた袖口を、針と糸で繕っておきました。
⑤かがる


かがる=布の端を糸で巻くように縫い、ほつれを止めることを表す言葉
かがるは、布の切り端を糸でくるむように縫って、ほつれてこないように始末する縫い方です。
ボタン穴やフェルトの縁など、端の処理を具体的に言いたいときに使えます。



布の端を、ほつれないようにかがっておきます。
⑥綴じる


綴じる=重ねたものを糸などでつなぎ、ひとつにまとめることを表す言葉
綴じる(とじる)は、重ねた紙や布を糸で縫いつなぎ、ばらばらにならないようまとめることを表す言葉です。
製本や手作りノートなど、複数枚をまとめる作業を表すのに向いています。



原稿を順番にそろえて、糸で綴じていきます。
⑦まつる


まつる=表に縫い目を出さず、裾や折り返しを留めることを表す言葉
まつるは、裾や袖口の折り返しを、表からほとんど縫い目が見えないように留める縫い方です。
裾上げなど、仕上がりをきれいに見せたい場面を細かく言い表せます。



スカートの裾を、目立たないようにまつりました。
⑧縫い合わせる


縫い合わせる=二枚以上の布を縫って、つなぎ合わせることを表す言葉
縫い合わせる(ぬいあわせる)は、別々の布や生地を縫って、ひと続きにつなげることを表す言葉です。
つなぐ動作をはっきり示せるので、作り方の説明にもなじみます。



前身頃と後ろ身頃を、肩で縫い合わせます。
⑨刺繍する


刺繍する=糸で布に模様や文字を縫い表すことを表す言葉
刺繍する(ししゅうする)は、色糸を使って布の表に絵や文字を縫い出し、飾ることを表す言葉です。
つなぐためではなく、飾るために縫う作業を区別して言いたいときに合います。



ハンカチの隅に、名前を刺繍してもらいました。
⑩ステッチを入れる


ステッチを入れる=見える縫い目で、布に縫い線を加えることを表す言葉
ステッチを入れるは、あえて見せる縫い目を布に加えて、補強や飾りにする言い方です。
洋裁やハンドメイドの説明で、デザインとしての縫い目を指せます。



ポケットの口に、白い糸でステッチを入れました。
縫うの“カジュアルな”言い換え・類語!会話で使える言い方も紹介!
続いて、縫うのカジュアルな言い換え・類語を紹介します。
ふだんの会話では、道具や動きをそのまま言ったほうが、様子が伝わりやすくなります。
⑪手縫いする


手縫いする=ミシンを使わず、手で針を運んで縫うことを表す言葉
手縫いする(てぬいする)は、機械に頼らず、針と糸を手で動かして縫うことを表す言葉です。
機械縫いと区別したいとき、手作業のあたたかさも一緒に伝えられます。



このぬいぐるみ、全部手縫いで作ったんだよ。
⑫ミシンをかける


ミシンをかける=ミシンを使って、布を縫うことを表す言い方
ミシンをかけるは、足踏みや電動のミシンで、布をまっすぐ速く縫うことを表す身近な言い方です。
家庭での裁縫の場面で、使う道具まで含めて自然に伝えられます。



裾を折って、まっすぐミシンをかけるだけだよ。
⑬チクチク縫う


チクチク縫う=針を細かく刺しながら、手で少しずつ縫うことを表す言い方
チクチク縫うは、針を小さく刺し進める手縫いの様子を、音のイメージで表したやわらかい言い方です。
こつこつ手を動かす雰囲気が出て、会話やSNSの投稿になじみます。



夜なべして、子どもの入園グッズをチクチク縫ったよ。
⑭縫いつける


縫いつける=ボタンやワッペンを、糸で布に固定することを表す言い方
縫いつける(ぬいつける)は、ボタンやワッペンなどを、布から外れないように糸で留める言い方です。
何かを布に取りつける動作を、子どもにも分かるように言い表せます。



体操着に、名前のゼッケンを縫いつけたよ。
⑮縫うように進む


縫うように進む=すき間を左右に抜けながら進むことを表すたとえの言い方
縫うように進むは、針が布を行き来する動きにたとえて、人や物のすき間を抜けて進む様子を表す言い方です。
裁縫から離れた比喩で、混雑や障害物の間を進む動きを生き生きと描けます。



バイクが、車の間を縫うように進んでいったよ。
縫うの豆知識・ちょっといい話
縫うを、もっと面白く知れる小話を紹介します。
「縫」は“糸”と“逢”でできた字
「縫」という字は、糸を表す「糸」と、音を表す「逢」を組み合わせた形声文字です。
「逢」は「あう・出あう」を表す字でもあり、布と布を糸で出あわせる、というイメージとも重なります。糸でものを合わせる動作が、一文字にぎゅっと込められていると考えると、覚えやすくなります。



糸へんに「逢う」で「縫う」なんて、よくできた字ですね。
和裁の「まつる」「かがる」「ぐし縫い」の違い
和裁では、縫い方ごとに「まつる」「かがる」「ぐし縫い」などの呼び名が分かれています。
「ぐし縫い」は針を細かく動かして点線のように進む基本の縫い方、「かがる」は布の端を糸で巻いてほつれを止める縫い方、「まつる」は表に縫い目を見せずに裾などを留める縫い方です。同じ「縫う」でも、目的によって手の動かし方と呼び名が変わります。



縫い方にこんなに名前があるなんて、知らなかった。
医療の「縫合」と英語の「スーチャー」
傷口を縫う「縫合」は、英語ではスーチャー(suture)と呼ばれます。
sutureは、ラテン語で「縫う・つなぐ」を表すsuere(スエレ)から生まれた言葉とされています。さらに頭の骨どうしがぴたりと組み合わさった継ぎ目も、英語ではsutureと呼びます。糸で縫うことと、骨が縫い合わさったように見えることが、同じ言葉でつながっているわけです。



骨の継ぎ目まで「縫う」と呼ぶとは、面白い見方ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今回紹介した中から、場面に合う言い換えが見つかれば幸いです。