今回は「おびただしい」という言葉の意味について解説します。
「おびただしい」とは、数や量が非常に多いこと、また程度がはなはだしいことを表す言葉です。

会場には、おびただしい数の人が集まっていた。
漢字では「夥しい」と書きます。読みにくい字ですが、意味は「ものすごく多い」というシンプルなものです。
この記事では「おびただしい」の意味や読み方、成り立ち、使い方、似た言葉との違いまで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
おびただしいとは?意味は「数や量がきわめて多い」
「おびただしい」の意味=数や量がきわめて多いこと、程度がはなはだしいこと
ただ「多い」よりもずっと数が多く、目を見張るほどあふれている、という強い多さを表します。
漢字では「夥しい」と書き、読み方は「おびただしい」。「おびただしい数」「おびただしい量」のように使われます。
「おびただしく散らかる」のように、程度のひどさを表す使い方もあり、その場合は良くない意味で用いられることが多い言葉です。



「多い」を、もっと強くした言葉なんだね。
おびただしいの語源・成り立ち
「夥」=数が多い・なかま、を表す字。古くは「おびたたし」と読まれた
漢字の「夥」は、数が多いこと、また多くのなかま・仲間うちを表す字です。
この「夥」が「多い」という意味の中心にあり、「おびただしい」という形容詞として使われてきました。
もともとは「おびたたし」という形で使われ、近世の中ごろまでこの読みが用いられていました。それが今の「おびただしい」へと変わっていったものです。



昔は「おびたたし」と読まれていたんですね。
おびただしいの使い方・例文
「おびただしい」を使った会話を見ていきましょう。
数の多さを表す場面のほか、程度のひどさを表す使い方もあります。
使用例① 数の多さに驚く場面
あまりの多さに、思わず声が出る場面です。



渡り鳥の群れは、どれくらいの数だった。



空をおおうほどで、おびただしい数だったよ。
使用例② 情報量の多さを表す場面
あふれる量に、手を焼く場面です。



調べものの資料は、集まりそう。



おびただしい量の記事が出てきて、整理するのが大変なの。
使用例③ 程度のひどさを表す場面
散らかりようの激しさを表す場面です。



片づける前の部屋は、どんな様子でしたか。



物がおびただしく散らかっていて、足の踏み場もありませんでした。
「おびただしい」の類義語や対義語
おびただしいの類義語と対義語についても見ていきましょう。
おびただしいの類義語
おびただしいの類義語としては下記のものがあります。
膨大(ぼうだい)
膨大は、数量や規模がきわめて大きいことです。おびただしいと近い意味ですが、文章やビジネスでも使いやすい、かたい言葉です。



膨大なデータの中から、必要な部分を探し出しました。
無数(むすう)
無数は、数えきれないほど多いことです。おびただしいと同じく多さを表しますが、「数えられない」という点に重きがあります。



夜空に無数の星がまたたいていて、見とれてしまった。
数知れない(かずしれない)
数知れないは、数がわからないほど多いことです。おびただしいよりもやわらかく、会話でも使いやすい言い方です。



これまで数知れない人に支えてもらってきたんだね。
おびただしいの対義語
おびただしいの対義語としては下記が挙げられます。
わずか
わずかは、数や量がほんの少しであることです。きわめて多いおびただしいとは反対に、ごくわずかな様子を表します。



残り時間はわずかで、あまり余裕がないな。
おびただしいの豆知識・ちょっといい話
おびただしいをもっと深く知れる、ちょっとした小話を紹介します。
「夥」はめったに見かけない一文字
「おびただしい」の漢字「夥」は、ふだんほとんど「夥しい」以外では使われない、めずらしい字です。
右側は「果(実がたくさんなる木)」、左側は「多」で、どちらも「たくさん」を思わせる部品でできています。それだけ「多さ」に特化した字なのです。読み書きがむずかしいため、新聞や本でも「おびただしい」とひらがなで書かれることが少なくありません。



「夥」って、ほぼこの言葉専用の字なんだね。
「多い」とは少しニュアンスが違う
「おびただしい」は、ただ多いというだけでなく、思わず圧倒されるような多さを表します。
「人が多い」と言えば事実を述べるだけですが、「おびただしい人」と言うと、その多さに驚いている気持ちまで伝わります。また、良い意味だけでなく「おびただしい誤り」のように、好ましくない多さを表すことも多い言葉です。数の多さに気持ちを乗せたいときに選ぶと、印象がぐっと強まります。



ただの「多い」より、驚きが伝わる言葉なんだね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。意味と似た言葉との違いを押さえて、読み書きの場面で役立ててください。