今回は「弄する」という言葉の意味について解説します。
「弄する」とは、ある手段や言葉を巧みに使いこなす・もてあそぶという意味の言葉で、「策を弄する」「言葉を弄する」のように使われます。

「奇を弄する」のように、小細工を巧みに使うニュアンスで使われることが多い言葉ですね。
読み方は「ろうする」。「弄」という字に「もてあそぶ」という意味がある点がこの語の核心です。
この記事では「弄する」の意味・読み方・語源、使い方・例文、類義語・対義語まで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
弄するとは?意味は「巧みに使いこなす・もてあそぶ」
「弄する」の意味=手段・言葉などを巧みに使いこなす、もてあそぶように操る
弄するは、ある手段や言葉などを意のままに操り、うまく使いこなすことを表す動詞です。
読み方は「ろうする」。「策を弄する」「言葉を弄する」「奇を弄する」のように使われます。
「策を弄する」は「小細工を駆使する」、「言葉を弄する」は「言葉を巧みに使って煙に巻く」、「奇を弄する」は「わざと奇抜なことをしてみせる」という意味です。
どちらかといえばネガティブなニュアンスで使われることが多く、「素直でない・小賢しい」という批判的な文脈で登場します。



「策を弄する」って聞くと、ちょっと悪知恵を使う感じがしますね。
弄するの語源・由来
「弄する」の語源=漢字「弄」の「もてあそぶ・手の中で転がす」という意味から
「弄」は手(廾)の上に玉を乗せた字で、「手の中で玉を転がす=もてあそぶ」という意味の漢字です。
「弄ぶ(もてあそぶ)」と同じ語根を持ち、「自分の手の中で自在に扱う」という感覚が根底にあります。
そこから「言葉・策・技・才能などを自在に操る」という意味で「弄する」が使われるようになりました。
「〜を弄する」のかたちで、「〜をもてあそぶように巧みに使う」というニュアンスを加える語です。



「手の中で玉を転がす」というイメージが、そのまま意味になっているんですね。
弄するの使い方・例文
「弄する」を使った会話を見ていきましょう。
批判・指摘・論評など、やや硬めの文章でよく登場します。
使用例① 策を弄する
小細工を使って事を運ぼうとする場面です。



あの交渉、いろいろ策を弄していたみたいだけど、結局うまくいかなかったね。



小細工を凝らしても、信頼がなければ通じませんよね。
使用例② 言葉を弄する
言葉を巧みに操って煙に巻く場面です。



言葉を弄するだけで、核心をまったく言わないのが気になった。



うまい言い回しだけど、結局何も伝わってこない話し方ですね。
使用例③ 奇を弄する
わざと奇抜なことをして目を引こうとする場面です。



奇を弄するような演出より、シンプルに内容で勝負してほしいんだよね。



奇抜さより中身がある、というのが一番強いですよね。
「弄する」の類義語や対義語
弄するの類義語と対義語についても見ていきましょう。
弄するの類義語
弄するの類義語としては下記のものがあります。
駆使する(くしする)
駆使するは、手段や能力などを十分に使いこなすことを表す言葉です。



「駆使する」はポジティブな意味で使われることも多いですね。
もてあそぶ
もてあそぶは、物や人を思うままに扱って翻弄することを表す言葉です。



「弄する」の根っこにある動作ですね。人をもてあそぶのはよくないですが。
操る(あやつる)
操るは、何かを思い通りに動かす、またはひそかに支配することを表す言葉です。



「糸を引いて操る」のようなイメージで、陰で動かす感じがしますね。
弄するの対義語
弄するには、はっきりした対義語はありませんでした。
近い概念としては、小細工を使わず正面から向き合う様子が挙げられます。
正攻法(せいこうほう)
正攻法は、正面から正直に取り組む方法を表す言葉で、小細工を弄さない姿勢を指します。



「策を弄する」の反対が「正攻法」、という対比がわかりやすいですね。
弄するの豆知識・ちょっといい話
弄するをもっと楽しめる、ちょっとした小話を紹介します。
「弄ぶ」と「弄する」の違いは何か
「弄ぶ(もてあそぶ)」は人や物を翻弄することを指すのに対し、「弄する」は主に手段・言葉・才能などを巧みに使いこなすことを指します。
「弄ぶ」はより感情的・人間関係的な文脈、「弄する」は「策を弄する」「言葉を弄する」のように、道具的な何かを操る文脈で使われることが多い点が違いです。同じ漢字でも、語の組み合わせで使われる場面が変わるのが面白いところです。



同じ「弄」の字でも、使い方でこんなに違うんですね。
「奇を衒う」とどう違う?
「奇を衒う(きをてらう)」と「奇を弄する」はよく似た表現ですが、ニュアンスに差があります。
「衒う」は「誇示する・見せびらかす」という意味のため、「奇を衒う」は「目立つためにわざと変わったことをする」という、自己顕示に近いニュアンスです。一方「奇を弄する」は「奇抜な手を意図的に繰り出す」という操作・演出のニュアンスが強い点が違います。どちらも批判的な文脈で使われますが、微妙に使い所が異なります。



「衒う」と「弄する」、似て非なる言葉の違いが面白いですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「弄する」という言葉を知っておくと、批評や分析の文章で使いこなせる語彙の幅が広がります。