今回は「したっけ」という方言について解説します。
「したっけ」とは、北海道・東北地方の方言で「そうしたら・それで(接続詞)」または「じゃあね・またね(別れの挨拶)」として使われる言葉です。

「したっけ」って挨拶にもなるんですか?何が「したっけ」なんでしょう?
主に北海道と東北地方で使われます。
この記事では「したっけ」の意味・どこの方言か・由来・使い方・類義語まで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
したっけとは?意味は「そうしたら」「じゃあね」の2つ
「したっけ」の意味=①接続詞「そうしたら・それで・そしたら」②別れの挨拶「じゃあね・またね・さようなら」
したっけは、北海道・東北の方言で「そうしたら」を意味する接続詞と、「じゃあね」を意味する別れの挨拶の2つの用法があります。
接続詞として使う場合、「昨日外出したっけ、いきなり雨が降ってきてさ」のように「そうしたら・そしたら」の意味になります。
挨拶として使う場合は「じゃ、したっけね〜」「したっけ〜」のように単独で使い、「またね・じゃあね」の意味になります。北海道では特に挨拶用法が日常的に使われます。



「したっけ」だけで別れの挨拶になるとは、便利な言葉ですね。北海道らしいおおらかさを感じます。
したっけはどこの方言?
したっけ=主に北海道・東北地方。発祥は東北、北海道移民によって広まった
したっけは、もともと東北地方で使われていた言葉で、北海道への移住とともに広まったとされています。
現在は北海道での使用が特によく知られており、「別れの挨拶」としての用法は北海道で独自に定着した言い方とも言われます。東北でも広く使われますが、地域によって接続詞が主な用法のところもあります。



東北から北海道へ渡って独自に進化した言葉なんですね。移住の歴史が言葉にも残っています。
したっけの由来・語源
語源①:「そうしたら(けれども)」の縮約形という説
「したっけ」の最も有力な語源は、「そうしたら」が縮約して生まれたという説です。
「そうしたっけ」→「したっけ」と短縮され、接続詞として使われるようになったと考えられています。東北・北海道方言では語を短くまとめる傾向があり、「したっけ」もその流れで生まれた表現です。



「そうしたら」が縮まって「したっけ」になったんですね。言われてみると確かにそう聞こえます。
語源②:接続詞から挨拶語へ意味が広がった
「したっけ(そうしたら)」が別れ際に「じゃ、そういうことで〜」という感覚で使われるうちに、挨拶語へ転じたと考えられています。
「したっけね〜(そうしたらね〜→じゃあね〜)」のように、元は接続詞だった言葉が別れの合図として使われるようになり、北海道では「さようなら」の代わりとして完全に定着しました。



「じゃ、そういうことで」が「したっけ」に凝縮されているとは、面白い変化ですね。
語源③:「〜たっけ」という東北の確認語尾との関係
「したっけ」を「し(接続)+たっけ(〜したよね)」の複合表現と見る説もあります。
北海道・東北方言では「〜たっけ」という語尾が過去の確認に使われます(「雪降ったっけ=雪降ったよね」)。「したっけ」はその延長線上にある表現という見方です。語源については諸説あり、現在も確定していません。



語源が複数あるのが方言らしいですね。自然に生まれて自然に広がったんだなと感じます。
したっけの使い方・例文
「したっけ」は接続詞としての使い方と、挨拶としての使い方があります。文脈で使い分けます。
使用例① 接続詞として「そうしたら」の場面
出来事の流れを話すときに「そうしたら」の意味で「したっけ」を使います。



昨日コンビニ行ったっけさ、したっけ財布忘れたこと気づいてさ。



それは焦ったね。「したっけ」が「そうしたら」の意味なんですね。
使用例② 別れの挨拶として「じゃあね」の場面
北海道では「したっけね〜」が「バイバイ・またね」の感覚で日常的に使われます。



じゃあ、また来週。したっけね〜。



したっけ〜。気をつけて帰ってね。
使用例③ 「したっけ」を知らない人が戸惑う場面
道外出身者が初めて「したっけ」を聞いて「え?」となる場面は北海道あるあるです。



したっけ〜(去り際に一言)



え?何がしたっけなの?どういう意味?(道外出身者)
したっけの類義語・対義語
したっけの類義語
そうしたら・それで・そしたら(接続詞)/じゃあね・またね・バイバイ(挨拶)
接続詞の意味では「そうしたら・それで・そしたら」が標準語の対応表現です。挨拶の意味では「じゃあね・またね・ではまた・さようなら」にあたります。他地域の似た表現では、東北の「んだば(それじゃあ)」が挨拶用法としても使われる点で近いです。



一語で接続詞にも挨拶にもなるとは、なんと便利な方言でしょう。
したっけの対義語
「したっけ(そうしたら)」に明確な対義語はありません。挨拶としての「したっけ(さようなら)」に対応する「こんにちは」の意味合いでは、北海道弁では「よっかいど〜」などの表現がありますが、直接の対義語とは言えません。



「さようなら」に対になる言葉はなかなか難しいですね。確かに自然な対義語はないです。
したっけの豆知識・ちょっといい話
「したっけ」は北海道を代表する方言として、さまざまな場面で話題を集めています。
観光地の看板で「したっけね〜」を見て二度見する旅行者
北海道の道の駅や観光施設では「またきてね!したっけね〜」といった表示が見られます。道外観光客が「したっけ?何それ?」と二度見するケースも多く、会話のきっかけをつくっています。
北海道移住者がSNSに「北海道の人が『したっけ』と言って去っていった。何が起きたのか分からなかった」と投稿するケースも多く、道外での知名度は年々上がっています。



突然「したっけ」って言われたら確かに「え?」となりますよね。でも北海道の雰囲気が出ていて好きです。
東北から北海道へ渡った言葉の旅路
「したっけ」は明治期以降の北海道開拓移民によって東北から持ち込まれ、北海道の地で独自に育った言葉と言われています。
東北出身の移民が多かった北海道では東北方言が多く定着しています。「したっけ」もそのひとつで、元の東北での用法(接続詞)に加えて、北海道では挨拶語という新しい使い方が根付きました。言葉が地域とともに進化した好例です。



東北から北海道に渡り、意味まで変化して根付いた。言葉って生き物みたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「したっけね〜」をマスターすれば、北海道の人とすぐ打ち解けられるかもしれません。