今回は「抽象的」という言葉の意味について解説します。
「抽象的」とは、具体的な形からはなれて頭の中で考えるような、はっきりした形のない様子のことです。

「抽象的な説明」のように、ぼんやりしてつかみにくい様子を表す言葉ですね。
読み方は「ちゅうしょうてき」で、「抽(ぬき出す)」と「象(かたち)」という漢字からできています。
この記事では「抽象的」の意味や読み方、語源、「具体的」との違い、使い方、類義語・対義語まで深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ。
抽象的とは?意味は「形がなく頭の中で考えるさま」
「抽象的」の意味=具体的な形からはなれ、頭の中だけで考えるような様子
抽象的は、目に見える形や具体例からはなれ、共通する性質や考えだけを取り出してとらえる様子を指します。
読み方は「ちゅうしょうてき」。「抽象的な話」「抽象的でわかりにくい」のように使われます。
「自由」「愛」のように、形では示せない考えを表すときによく使われます。
中身がうすいという意味ではなく、具体例がないためにイメージしにくい、というニュアンスです。



形がないぶん、人によって受け取り方が変わりやすいんですね。
抽象的の語源・成り立ち
「抽象的」の成り立ち=「抽(ぬき出す)」+「象(かたち)」+「的」
抽象的は、「かたちを抜き出す」という意味の「抽象」に、「〜のような」を表す「的」がついた言葉です。
「抽」は「ぬき出す」、「象」は「かたち・すがた」を表します。
いくつかのものから共通する性質だけを抜き出すことを「抽象」といい、その様子を「抽象的」と呼びます。
英語の「abstract」の訳語として、明治のころに整えられた言葉のひとつです。



「共通点だけを抜き出す」のが抽象なんですね。
「抽象的」と「具体的」の違い
「抽象的」=形がなく頭の中で考える/「具体的」=形があってはっきりしている
「抽象的」は形のない考えをまとめてとらえる様子、「具体的」は実際の形や例で示す様子、という違いがあります。
「もっと努力しよう」は、何をするかが示されていない抽象的な言い方です。
「毎朝30分本を読もう」は、行動がはっきりした具体的な言い方です。
抽象的な話は、具体例を一つそえるだけで、ぐっと伝わりやすくなります。



「たとえば?」と問い返すと、具体的に近づけられますね。
抽象的の使い方・例文
「抽象的」を使った会話を見ていきましょう。
仕事の打ち合わせから、学びの場面まで幅広く使えます。
使用例① 説明がわかりにくいと感じる
話がぼんやりして、つかみにくい場面です。



今の指示、抽象的でどう動けばいいか迷っちゃう。



では具体的な手順に分けて、もう一度お伝えしますね。
使用例② 形のない考えを話す
目に見えないテーマを、話し合う場面です。



「幸せ」って言葉、説明しようとすると難しいね。



抽象的なテーマだから、人によって答えが変わるんですよ。
使用例③ 芸術について語る
形にとらわれない作品を、楽しむ場面です。



この絵、何を描いているのか分からないけど引きこまれる。



抽象的な表現だから、感じ方は自由でいいんだよ。
「抽象的」の類義語や対義語
抽象的の類義語と対義語についても見ていきましょう。
抽象的の類義語
抽象的の類義語としては下記のものがあります。
観念的(かんねんてき)
観念的は、現実よりも頭の中の考えに重きを置く様子を表す言葉です。



「観念的な議論」のように、机上の考えを指します。
概念的(がいねんてき)
概念的は、細かい中身よりも、大まかな枠組みでとらえる様子を表す言葉です。



「概念的に理解する」のように使われます。
漠然(ばくぜん)
漠然は、ぼんやりしていて、はっきりしない様子を表す言葉です。



「漠然とした不安」のように、つかみどころのなさを表します。
抽象的の対義語
抽象的の対義語としては下記のものがあります。
具体的(ぐたいてき)
具体的は、実際の形や例ではっきり示されている様子を表す言葉です。



「具体的な数字」のように、わかりやすさを表します。
具象的(ぐしょうてき)
具象的は、目に見える形をそなえている様子を表す言葉です。



「具象的な絵」のように、芸術の場でよく使われます。
抽象的の豆知識・ちょっといい話
抽象的をもっと深く知れる、ちょっとした小話を紹介します。
「抽象画」は形を手ばなした絵
形ある風景や人物を描かず、色や線そのもので表す絵は「抽象画」と呼ばれます。
20世紀の初めごろに広まり、見たままを写すのではなく、感じたことを自由に表す試みとして発展しました。「何が描いてあるか」ではなく「どう感じるか」を楽しむ点が、抽象的という言葉の意味とよく重なります。



正解がないからこそ、自由に味わえるんだね。
英語「abstract」は「引きはなす」が語源
抽象的の英語「abstract(アブストラクト)」は、ラテン語で「引きはなす」を表す言葉からきています。
たくさんのものから共通点だけを「引きはなして」取り出す、というイメージです。論文の要約を「アブストラクト」と呼ぶのも、中身の要点だけを抜き出すところからきています。



日本語の「抽(ぬき出す)」と発想が似ているね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。形のない考えを言い表したいとき、「抽象的」を「具体的」と上手に使い分けてみてください。