今回は「埒が明かない」という言葉について解説します!
「埒が明かない」とは、物事がいつまでも進展しない・話にならないという意味の慣用句です。
「わからないことをいつまで考えても埒が明かないよ。」みたいに使うよ!
「埒が明かない」の由来は古代の神事・祭礼です。
この記事では「埒が明かない」という言葉の詳しい意味や由来、使われ方などについても深掘りしています。
興味がある方は記事の続きへどうぞ!
「埒が明かない」とは?意味は「物事がいつまでも進展しない・話にならない」
「埒が明かない」の意味=物事がいつまでも進展しない・話にならない
「埒が明かない」とは物事がいつまでも進展しない・話にならないという意味の慣用句です。
話し合いをしても互いに譲らず平行線でまとまらないときなど、物事の決着がつかないときに使われます。
ネガティブなニュアンスの言葉で、「あなたと話しても埒が明かない。」などと相手に直接伝えると失礼にあたります。
また「埒が明かない」は主観的な意味合いで使われるため、状況次第では「袋小路」「水掛け論」「小田原評定」など客観的に物事が進展せず決着がつかない状態を指す言葉で言い換えるよう注意しましょう。
「埒が明かない」は物事が行き詰って解決しないときに使うんだね!
「埒が明かない」の由来は古代の神事・祭礼
「埒が明かない」の由来、語源=古代の神事・祭礼
「埒が明かない」の由来は古代の神事・祭礼で諸説あるとされています。
「埒」とは囲いや仕切り・柵のことをいい、主には馬場(乗馬・競馬を行う場所)に設けられたものを意味します。現代では「埒が明かない」と使うのが一般的ですが、もともとは物事のかたがつくことを意味する「埒が明く」「埒を明ける」が使われていました。由来には諸説ありますが代表的なものを紹介します。
①京都・上賀茂神社の神事「競馬会神事(くらべうまえしんじ)」・・・通称「賀茂競馬(かもくらべうま)」。葵祭に先立って催される神事で始まりは平安時代。競馬の開催にあたって、「馬場に設けられた埒が開くと祭りが始まる(埒が明く)」もしくは「埒が開かないことには始まらない(埒が明かない)」に由来するとする説。
②奈良・春日大社の祭礼「春日若宮おん祭り」・・・平安時代に始まった祭礼。同じく「長い祝詞(のりと)が終わるとようやく埒が開き一般の参拝者がお参りできる」もしくは「終わらないことには埒が開かず中に入れない」に由来するとする説。
いずれも共通するのは埒が開くかどうか、開かないと次に進めないということですね。
注意すべきなのが、慣用句で使われる漢字は埒が「明く」もしくは「明かない」ということです。「夜が明ける」や「梅雨が明ける」のように、ある期間や状態に区切りがついて次に進む・進まないということを意味するため「開」ではなく「明」が使われます。
埒(柵)が取り除かれないと何事も始まらないってことからきてるんだね!
埒が明かないの使い方・例文
「埒が明かない」という言葉を使った例文を見ていきましょう。
使用例①
あなたの仰ることもわかりますが、こちらとしても条件を譲るわけには・・・
はぁ、あなたと話していても埒が明きませんね。
・・・もうこのお話はなかったことにしましょう。
使用例②
どうしよう。いくら考えても答えが見つからない・・・
そうやって悩み続けても埒が明きませんよ。一緒に考えましょう。
使用例③
A社の製品もいいですが、B社、いやC社のほうがもっといいですよ!
始めからA社の製品が欲しいって言ってるのに、このままじゃ埒が明かない・・・
埒が明かないの類義語や言い換え、対義語
埒が明かないの類義語と対義語についても見ていきましょう!
埒が明かないの類義語や言い換え
埒が明かないの類義語や言い換えとしては下記のものがあります。
堂々巡り
同じことが何度も繰り返されて先に進まないこと。
会議をするのはいいけど、いつも同じ問題にぶつかっては議論して結局堂々巡りになるんだよなあ。
いたちごっこ
双方がいつまでも同じことを繰り返して決着がつかないこと。
特殊詐欺の対策を講じてもまた新しい手口がでてきてこれじゃいたちごっこだよ。
にっちもさっちもいかない
物事が行き詰って進まないこと。
予想外のトラブルが続いて計画通りに進まず、にっちもさっちもいかない状況です・・・
埒が明かないの対義語
埒が明かないの対義語としては下記のものがあります。
方が付く(片が付く)
長く競合してきた中で私たちの提案が選ばれて、方が付いた喜びで一杯です。
けりが付く
最後の最後で意外な解決策が見つかって、ついにけりが付きました!